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自分のアイデンティティを象徴する仕事での立場が失われていく中で、自分の価値感や、心の本質が何だったのか、自分でも判らなくなっていく。心のバランスを失い、自己が崩れ、次第に存在が大きくなっていくのがフェイ・ダナウェイ演じるところの「愛人」との関係。 ひたひたと破滅に向かう「できる男」だったはずの主人公。ドラマは見る側が気づか無いうちに日常から大きく離れ、観念の世界へ深く入り込んでいく。
わが身を滅ぼすほど魅惑的な愛人になど、夢でもない限り会う事はない。しかし、この映画を見る男なら、フェイ・ダナウェイの中にそれを見てしまうことだろう。アメリカ映画にしては映像の美しさや、心象風景の描写などがこまやかで好感が持てるし、内容のわりに、見ていて飽きない。
しかし、この映画の一番の見所は、「フェイ・ダナウェイ」に尽きる。
話の流れや、男の自己崩壊を、全て納得させうる必然として、魅力(生半可な魅力じゃない)溢れる女が事実存在する。この世のなかに本当にいた!
確信をもって言います。胸がキュンと鳴るんじゃなく、へその下あたり、内臓をわしづかみされたような衝撃を感じるほど、「女って」・・・・これだったのと、分かるから。
この映画は良い映画の条件として、非常に不偏的なテーマを映像化出来ていると言える。「アメリカンビューティ」がオスカーに輝いたのと同等の価値があっても良いと思う。(個人的には)こっちの方が現実的な気がするのは、日本人の私が、今やっと、70年代アメリカの社会的病理に近づいたって事でしょうか?
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