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アレグリアとは仕事はできない
 
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アレグリアとは仕事はできない [単行本]

津村 記久子
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「この会社に来て、もっとも低い立場からそのキャリアを始め、今もそこに留まっているミノベ」の、職場での孤独な戦いと人間模様を、独特のユーモアとパワーで描く意欲作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

津村 記久子
1978年大阪府生まれ。2005年「マンイーター」で第21回太宰治賞を受賞。同年、『君は永遠にそいつらより若い』(筑摩書房。受賞作を改題)でデビューする。2008年『カソウスキの行方』(講談社)、『婚礼、葬礼、その他』(文藝春秋)で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 188ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/12)
  • ISBN-10: 448080417X
  • ISBN-13: 978-4480804174
  • 発売日: 2008/12
  • 商品の寸法: 19.2 x 12.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
「アレグリアとは仕事はできない」及び「地下鉄の叙事詩」の中編2作を収めたもの。私は津村作品は初読。

品番YDP2020, 商品名「アレグリア」と呼ばれる高性能複合機が前者の主役である。改題前の「コピー機が憎い!」が示す通り、女子社員ミノベが抱く「アレグリア」への感情の思い切った発露が主題である。高性能でミノベ以外の(特に男子)社員の前ではテキパキ働く癖に、ミノベがコピー機能を利用しようするとストを起こす「アレグリア」。ミノベが「アレグリア」を女性代名詞で呼んでいる事から、「アレグリア」を男子社員の前では媚を売り、仕事は適当にサボる女子社員仲間での厄介者の"擬物化"と取る事は容易い。しかし、機械とでも心を通じ合えると信じるミノベが、その信条を「アレグリア」に裏切られ、弄ばれながらも、会社内で頑張る姿を描いた奮戦記と取った方が素直である。先輩トチノ・保守員アダシノの造形やエピソードも巧み。ホッチキス(社名説あり)と記さず、ステープラーと記す拘りも愉快。ミノベの伝法な口調も手伝って、読者、特に働く女性の明日への糧を与える作品。私もコピー機のトラブルを最低百回は経験しているが、それをモチーフにするとはユニークな発想。読んで行くと機械的反応をしているのが人間の方に思えて来るから皮肉。「地下鉄の叙事詩」は意外な収穫。朝の地下鉄を舞台に、大学生・フリータ・女性会社員等の意識の流れが時には伝法に、時には生真面目に精緻に綴られる。大学生の意識は女性への妄想が中心だし、フリータの意識は将来への不安、女性会社員の意識は痴漢を初めとする周囲への殺意、と書き分けも巧み。全体の構成も練ってある。

コピー機の故障、満員の通勤・通学電車と言うありふれた日常を舞台に、我々が日頃抱いている不満の鬱憤晴らし役を果たしてくれる爽快な作品。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くわもちじんぺい トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 「コピー機が憎い!!」を改題したことからも分かるように、アレグリアは印刷・コピー複合機である。すぐに不可解なウォームアップに入ったり、紙詰まりを起こしたり、実際腹の立つオフィス機械は多い。擬人化して「ふざけんなよ忙しいのに」などと悪態をついたり、「何でもぴーぴー文句言うんじゃないよ」などと機械を叩いて苛立ったりしたことは、私もある。
 本当は、機械には罪はない。整備不良のメンテナンス担当者や、使い方を間違った人間の方に責任がある。だが、誰が責任者なのかを追求するよりは、私たち日本人は機械に悪態をついて憂さ晴らしする方を選ぶ。OLの滑稽なほどまじめな生き様が、微妙なユーモア小説のように仕上がっている。
 併録の書き下ろし「地下鉄の叙事詩」は、不愉快な地下鉄の日常を多面的に描いた物だが、描かれる心情の余裕のなさが息苦しい。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
人の心のなかの、ぐちゃぐちゃ思っていたり、ねちねちと考え続けていたりすることを、
津村さんはいつもリアルに再現する。
実際、コピー複合機や紙折り機の不調は、私の事務所でも頻繁に起こる。
でも、うちのはボロボロの旧式だから……と、営業ともども人間が耐え忍んでいる。

「アレグリアとは仕事はできない」に描かれた、会社の日常のリアルさと滑稽さ。
身に覚えがある人は多いだろう。
ミノベの役回りになってしまったメンテのフォロー。
そう、廻るエリアが決まっているからいっつも同じ担当者が来る。
で、頻繁だとお互いとても気まずいのだ。

アレグリアが最新式と謳われた機種であるだけに、動かないことが許せないミノベ。
ミノベの苛立ちを理解しない周囲との温度差がおもしろい。ミノベのように、果敢に
アレグリアに立ち向かう者あれば、先輩のようにじぶんの胸ひとつに不満を留めようとして、
コワレる人がいる。
アレグリアの不調の理由が、思いもよらないことであっただけに、翻弄された人間関係が
際立って、滑稽にも虚しくも感じられる。

「地下鉄の叙事詩」も、煮詰まった場の人の心理描写と濃い空気が、本当にリアル。
混んだ電車で通勤通学する人なら、誰でもこんなこと、しょっちゅう思っているはず。
気持ちのいい話ではないが、濃密な描写が津村さんらしい作品だと思う。
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