英国パラソル奇譚シリーズの第二作です。
1800年代のヴィクトリア女王の治世下、人狼や吸血鬼がはびこる架空の英国が物語の舞台です。前作にて、ウールジー伯爵にして人狼団のボスであるコナル=マコン卿と結婚したことにより、晴れてマコン夫人となった<魂なき者>アレクシア。華やかな社交界の有名人となったアレクシアは陰の議会の<議長>として忙しい日々を送りながら、夫との仲睦まじい結婚生活を過ごしていたようです。ですが、幸せな日々は長くは続かないもの。突如出現した「異界族能力消失現象」の調査をするために旅立った夫を追って、スコットランドへと赴きます。
スコットランドへの旅は決して楽なものではありません。幾度も無く訪れる命の危機、手がかりすらつかめない消失現象の原因、秘密に満ちた新キャラクター"マダム・ルフォー"の目的、コナルがスコットランドを離れた理由、様々な謎をちりばめながら読者を飽きさせることなくクライマックスへと向かいます。そして最後の最後で驚愕の展開に目を見張ることとなるでしょう。
新しい武器(驚きの?機能を搭載したパラソル)を手にして、なおさら怖いものが無い様子のアレクシア。その行動力や知性、徹底した現実主義に周囲が振り回される様が相変わらず痛快な作品です。そして冒険活劇の合間に、アレクシアの友人アイヴィとウールジー団の世話人タンステルの間のロマンスや、産業革命を経て急激に発展した科学技術に対する描写が物語の彩りをさらに鮮やかにしています。
今までにないタイプの主人公アレクシアの魅力が光るこのシリーズ、次回も期待しています。