2009年スペイン制作・公開、2011年日本公開の本作品は、4世紀末の古代エジプトのアレクサンドリアを舞台に、女性の哲学者であり天文学者である、ヒュパティアの波瀾万丈の生涯を描いた作品です。
この作品の見どころは、何と言っても、壮大なスケールにあります。
1950年代にハリウッドで制作された、「ベン・ハー」や「十戒」を想起させるような、当時の町をまるごと再現した大規模な屋外セットを使い、多くのエキストラを動員して、リアルな描写を体感することができます。
特に、キリスト教の台頭により暴動が起き、ヒュパティアの勤めるアレクサンドリア図書館が襲われるシーンには圧巻させられました。
古代エジプトのような舞台設定の場合、クレオパトラのような貴族以外では、なかなか女性が主人公になりにくいものですが、哲学者である女性を主人公にしているところが、現代的な題材と言えると思われます。
この映画を観るために、ネット検索で知ったのですが、ヒュパティアは実在の人物だそうです。
その科学的で神秘主義を排する、哲学者・天文学者らしい言動がやがては、キリスト教側からすると、異端とみなされる要因となっていたようです。
本作品のヒュパティアは、科学者としての面が強調されていますが、もちろん女性としての一面も描かれており、彼女へのある人物の思慕がラストシーンへと繋がっていきます。
127分と割と長時間の作品ですが、私としては、冗長な感じはなく、楽しめる作品になっているように思いました。
ただ、ネットでの情報ですが、2011年3月現在、制作費$70,000,000に対し、興行収入 $39,013,466と劇場での興行的には振るわない作品となっており、ちょっと残念な印象を持っています。
DVD化を機に、もっと多くの方に鑑賞していただければ、という思いで、レビューを投稿しました。