日本では今アレクサンダーテクニックの紹介が進んでいるように見えるのは、出版状況だけでしょうか?実際に、正統的なテクニックの教師に、30から50回のレッスンを受けて、実際にテクニックとは何かを体験して知った方は、どのくらいいるのか?
STAT(アレクサンダーテクニック教師協会)は現在大きな変革期を迎えており、戦後大きな影響を及ぼしたW.カリントンは去年亡くなりました。アメリカなどで、非正統的なトレーニングを受けた教師がたくさんいます。日本にその一番の中核をなす「体験」をした人があまりいないとすれば、翻訳ばかりが増える状況は何かおかしい。
本書は、導入としては悪くないと思います。訳文も、読みづらいと言うことは無く、取り合えずテクニックが何かを知る情報元としては、数少ない本の中で貴重なものと言えます。
しかし、日本のテクニークに関する出版状況で私がいまひとつ納得がいかないのは、邦訳されている著作の選択です。アレクサンダー自身の著作、あるいは、P.マクドナルドや、W.カリントンの邦訳が出ないのは、わざと避けているのか?と勘ぐってしまう。
なんと言ってもテクニックの中心は、一対一で行われるレッスンの体験です。もし、テクニークについて知りたいのであれば、良い先生を探して、レッスンを体験すべきです。しかしどうすればよい先生が見つかるのか。。。それには、まず正統的な教師たちの本、またアレクサンダー本人の著作を読んで、いろいろな教師のレッスンを体験することです。そのさいに、本で学んだテクニークの概念に関して質問して、納得のいく答えが返ってくるか、そして、レッスンの後に今までに無い「変容」を体験するか、がポイントだと思います。しかし、テクニックの真価を理解するには、優れた教師の何十回ものレッスンと、何年間かの体験が必要です。本書は、その手がかりになると思いますが、いわゆる「自分で学ぶ」式の本ではないことは知っておく必要があります。