最も参考になったカスタマーレビュー
101 人中、94人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
再評価を望む, 2005/4/11
この映画の評価は両極端だ。最高か最低で普通はあまり無さそう。そして最高と思う人は現時点では少ないはずだ。DVD発売を機に少しでもこの映画を好きな人が増えることを願う。 この映画は詰め込み過ぎ、難解であるという点は否めないが(3時間で大王の生涯を描くのは難しい)、少しでも歴史的な素養があれば「おぉ」と思う点が多く散りばめられている。1回見ても楽しめるが予備知識の有無で鑑賞の深みは変わってしまう。ヨーロッパで支持され、日米では支持されなかったのは歴史的な素養の有無が大きかったはず。関連書を数冊読み映画館で何度か見た私も見落としは多く、DVDで早く見直したいと思う点もある。 コリン・ファレル演じるアレキサンダーは人間的であり過ぎた(彼の演技は素晴らしかった)。悩み、挫折し、苦しければ泣くし、弱音も吐けば部下を感情的に殺しもした。英雄像とはかけ離れてリアルである。そしてバッシングの一因ともなったバイセクシャルとして描かれた点。これは史実である。これらを無視せず敢えて描いたのは、監督が史実に忠実であろうとしたからだと思う。そこがグラディエイターやトロイなどとは大きく異なる点であり、一般受けしなかった点でもあろう。 難解ではあるが、この映画は繰り返し見るごとに新たな発見がある。娯楽作品ではない味わい深い映画を見たい人には、是非見て欲しい。
31 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
監督のこだわりが感じられる一品, 2005/9/19
By カスタマー
同性愛について、実は、フィリッポスを暗殺したパウサニアスもフィリッポス3世の想い人だったりします。キスしながらフィリッポスの腹を突き刺すシーンがありましたが、これはそのためです。 フィリッポス暗殺については、監督なりの解釈があって、それが、後々のアレクサンダーの行動に影響を及ぼしたという話の流れのなか、なるほどこういう解釈もあったかと素直に思ってしまいました。 特に、アレクサンダーの偉業=母オリュンピアからの逃げという解釈は前から、自分も考えていたことで、その仮説が見事、映画として体現させたのはすごいと思いました。監督のアレクサンダーへの愛着をかんじますね。普通、そこまで、考えが行き着きません。 戦闘シーンで着目することは、非常にディテールにこだわっていること。アレクサンダーが牛を殺しているところ。あれは、戦況を占うための儀式。マケドニア側の投石布部隊。ペルシャ側の戦車部隊、らくだ部隊などがウガメラの戦いで登場して来ましたが、あれは、当時からちゃんと実用されていたものです。 物語の構成としてわかりづらい、微妙な部分があるかもしれませんが、アレクサンダー王の歴史自体、謎やさまざまな解釈があるため、史実に忠実にストーリーに組み込むこと自体、困難で、返ってここまでまとめたこと自体すごいと感じました。 おそらく、歴史研究者やある程度古代ギリシャあたりの知識を持っている人は絶賛。その他、知識を持っていない人は難しくてわけわからんという感じだと思います。 ちなみに、古代ギリシアは、バリバリの男社会、同性愛が標準オプションです。
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5つ星のうち 5.0
細部にも見所満載。感じ取り、自分なりの解釈を。, 2005/3/9
「大王・大帝」と称される人物役にはコリン・ファレルは気品不足ではないか?と、当初二の足を踏んだ。 神の子であると信じ、母の邪な魂を引き継いでいない事を心に願い常に高潔たらんとした事。その道が途方も無い戦いへの道であり、何かから逃れる道でもあった事。冒頭一時間でコリンへの懸念は完全に吹き飛んだ。苦悩し走る・・そう、冒頭の暴れ馬を乗りこなすシーンと彼の人生は被る。行き着く先が血まみれの谷と分かっていても走り続ける、英雄であるが故に走り続けねばならないと抱え込み疲弊する精神、これだけ「人」としての姿を見事に演じられるとは・・。アンジーの老け役も及第点である。 確かに彼は夢想家だっただろう、でもこれだけの苦悩と葛藤を抱え只管未開の地に走りつづけた美しい馬、その魂の帰り着いた先はどこであったか・・余韻溢れる幕切れである。 もう一点、男同士の関係が普通であった紀元前当時、ヘファイスティオンとの友愛には何度も胸が詰まった。私見だが、「共に死すは男同士の特権」「共に生きるは男と女の特権」そう思っていたが、この作品を見て「生も死も共にするは男と男の特権」と感じた。少々の嫉妬も感じる。二人が自分達をアキレスとパトロクロスに例える点やギリシャ神話の神々の逸話を引き合いに出すのもとても興味深く、心憎い演出。 競技場・空中庭園・特に戦場の素晴らしさ。流石オリバー・ストーン監督。彼の描く戦場は正に地獄。前半のカウガメラの戦いと後半のインドの戦いで趣を全く変えて見せているのも流石としか言いようが無い。インドの戦象軍に立ち向かうアレキサンダーの姿が胸を締め付ける。 ストーリーテーラーに名優アンソニーホプキンスがいるため歴史下地が無い人にもある程度は分かりやすく出来ている、只、100%愉しむには世界史・神話の知識は必須。 興行成績を狙った派手な作品とは感じなかった、寧ろ重厚な人間ドラマ。もう一度じっくりと見たい。
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