1970年代生まれで吹奏楽に携わった人ならば必ずどこかで耳にしたり、実際に
吹いたりしたであろう曲が詰め込まれた良質な企画アルバムです。ソニーの
DSDシステムによるリマスターのおかげで音質面も良くなっています。
ここに収録されている曲は、いずれも日本の吹奏楽の「古典」というべきもの
ばかりです。演奏レベル的にも初級者向け(アルヴァーマー序曲、アパラチアン
序曲、吹奏楽のための民話、センチュリア)から上級者向け(フェスティバル
ヴァリエーション、交響的断章)まで網羅していますし、何よりもホルストの
吹奏楽のための第1組曲とヴォーン・ウィリアムズのイギリス民謡組曲がフル
で収録されていることは、教育的配慮の面でも非常に評価できます。
吹奏楽の神様とまでいわれた指揮者フレデリック・フェネルは、吹奏楽を理解
したければホルストの第1組曲を勉強するようにと言ったそうです。吹奏楽に
必要な技術、表現、演奏法などすべての要素を勉強するためには最良の教材で
あり、さらに曲自体も非常にすばらしいものです。イギリス民謡組曲も同様の
ことが言えるでしょう。最近の吹奏楽界は、アクロバット過ぎるほどに高度な
技量と表現力を求める曲が全盛となっています。最近の中高生にはホルストの
第1組曲(もちろん第2組曲も)やヴォーン・ウィリアムズのイギリス民謡
組曲を一度もやらない人、もしくは曲自体を知らないが増えているようです。
教育的側面からも一度はふれて欲しい曲ですので、その点でも有意義なCD
だと思います。