NHK-BSで英国BBCが作成した番組を放映していました。
その写真集が発売されているのを知り、購入するに至りました。
20世紀は世界のグローバル化が進み、交流により各国各地域の文化が薄められて失われた時代でもあります。
日々の生活が少しずつ変わっていくのは生活者自身には気づきにくいのですが、外国人の目から見ると、その特徴が際立ち、すばらしさを認識し、記録に残す気持ちになるのでしょう。
カーンのコレクションは第一次世界大戦やオスマントルコの崩壊など、史実を記録した点で高く評価されています。
しかし歴史の記録にとどまらないところがすぐれた点です。
カメラマンは全世界に散り、その国の伝統的生活・文化を記録しました。
私はヨーロッパでの人力農業の風景、まだ網が使われていない一本釣りの漁の風景などに惹かれました。
ふつうの人々の何気ない一コマ。
カメラマンの優秀さも手伝って、一枚の絵を見ているように素晴らしい。
その中には東洋、日本の風景もあります。
カーン自身、日本に惹かれて3回も来日しているそうです。
また、フランスの彼の邸宅には日本庭園も造られました。
モノクロ写真では「失われた過去」として郷愁を誘いますが現実感がありません。
カラー写真はその美しさで眼前に迫ってきます。
「私はあなたと同じように存在しました。たった100年前のことですよ。」と語りかけてくるようです。