共産趣味者、辺境マニア、左翼オタクに贈る、究極の海外事情本!
「鎖国」として知られるアルバニアが、実はいかにして世界各国と繋がっていたか、珍エピソード、裏話を45ヵ国分集めて一大暴露! その結果、信じられない事実が、次々と明らかに......!
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
趣味としての共産主義,
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レビュー対象商品: アルバニアインターナショナル―鎖国・無神論・ネズミ講だけじゃなかった国を知るための45カ国 (共産趣味インターナショナル VOL 1) (単行本)
一般的にはめったに話題にのぼることのない国、しかし一部の奇書マニアから熱い視線を浴びている国、それがアルバニアだ。本書はその一部の熱狂的な支持に、火をつけた一冊でもある。タイトルの副題に「鎖国・無神論・ネズミ講だけじゃなかった国を知るための・・・」とあるが、それすら知らなかった人も多いのではないだろうか。まず疑問なのは、この本の著者は、なぜアルバニアの本を書こうと思ったのかということである。確かに尋常ではない知識量の持ち主ではあるのだが、”あとがき”などを見ても、それほどアルバニアに強い思い入れがあるというわけでもなさそうだ。調べてみると、どうやら編集者の濱崎誉史朗という人が、黒幕のようである。 ◆アルバニアと「鎖国・無神論・ネズミ講」について(※濱崎氏のブログより引用) アルバニアを理解する上で重要なキーワードが「鎖国・無神論・ネズミ講」です。まず日本は近世、鎖国していましたが現代史において鎖国といえばアルバニアというのが常識。その次ぐらいに北朝鮮とかミャンマーが来ると思いますが、冷戦期において「ザ・鎖国」といえばアルバニアというのが定説です。 極東の島国が二百年ぐらい前に諸外国と交流を絶ったのと違い、アルバニアが国際社会から消息を絶ったのは1960、1970年代と極めて最近。従ってその時の立ち振る舞いは極めてキワモノ的で、かなりそそられます。しかもアルバニアの位置はというと、世界文明の発祥地であるギリシャとローマの間。アドリア海に面した東西の交通の要衝で、本来鎖国の真逆のコスモポリタン的な背景を持つ国。 なおかつヨーロッパのバルカン半島に位置しながら、ボスニアと同様、オスマントルコ配下にあったので、アルバニア人はイスラム教徒。更に更にイリュリア語という、周辺のスラブ系民族とは異なるインド・ヨーロッパ語族であり、バスク語の様な孤立言語ほどミステリアスではないが、かなり不明なルーツを持つアルバニア語を話す人達。 そんなイスラム教徒が大半を占める国でありながら、共産主義時代に世界初の無神論国家を宣言し、宗教を禁止したトンデモっぽい国。 また今はモルドバに首位の座を奪われましたが、欧州最貧国でも有名。白人なのに大貧困。そして資本主義、市場経済に全く慣れていないので、1997年には国民の半分以上がねずみ講ににひっかかってしまい、国家が崩壊の危機に瀕し、全土が無政府状態に! 一挙手一投足が矛盾・ギャップ・違和感だらけです。 via hamazakikaku.blog136.fc2.com 本書では、諸外国とのつながりを通して、アルバニアの輪郭を描いているところがポイントである。わからない国のことを、わからない国の事実で語られても、わからないの2乗になってしまう。諸外国との関係に着目することによって引かれた多数の補助線は、アルバニアをより身近なものに感じさせてくれる。 本書を読んでも、おそらくアルバニア行ってみたいとは思わないだろうし、旅行の際に持っていったとしても一切の役には立たないだろう。よくよく見ると、表紙に小さく「共産趣味」と書いてある。なるほど、これは趣味の本なのだ。”趣味としての共産主義”、面白すぎるっ!趣味の本なのだから、最初から最後までぶっ通しで読んでも、点が線になるようなこともない(と思う)。気になるところだけをTweetのように流しながら読んでいくのが、正しい読み方であろう。 ちなみに、本書のベースは大学の授業を元にして作られたものらしいのだが、国立大学の法人化で授業はなくなってしまったそうだ。それを趣味の本としてコンテンツにするなど、出版メディアもまだまだ捨てたものじゃない。”共産趣味”シリーズの続編も、非常に楽しみである。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
国際的多面的にアルバニアと云う国を浮き彫りにしている!,
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レビュー対象商品: アルバニアインターナショナル―鎖国・無神論・ネズミ講だけじゃなかった国を知るための45カ国 (共産趣味インターナショナル VOL 1) (単行本)
バブル真っ最中、私がまだドイツ語を専攻していた学生の時代、テレビではアルバニアからイタリアに向け、多くの民が 民間船を乗っ取って渡っているというニュースが流れていた。 インターネットなんて影も形もない時代、アルバニアにちょっと 興味が出て図書館で調べてみたが、民話集とか、第二次大戦までの 歴史とか、そのくらいしか判らず、謎の国は謎の国のままだった。 あれから20年、amazonのお奨め(笑)もあり、タイトルだけで即購入。 著者はなんと同い年、アルバニアを愛してやまないというよりも 負の選択肢としてアルバニア専門家になってしまったという 脱力したタッチで書かれている。 しかし、興味深い。著者のほとんど偏執狂的ともいえる アルバニア繋がりの捜索は、世界中そこここに寄り道して それこそ国際的多面的にアルバニアと云う国を浮き彫りにしている。 トンデモ本ではないので、グッバイレーニン的なモノを期待している人、 中欧東欧にまったく興味がもてない人は手に取るのを避けた方が無難だが、 真面目に欧州最後の秘境の立ち位置を考えたい人には バルカン情勢を深く知る意味でも、これ以上ない一冊である。
19 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
王様・ペレはアルバニア文学の愛好者!,
By 野火止林太郎 (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アルバニアインターナショナル―鎖国・無神論・ネズミ講だけじゃなかった国を知るための45カ国 (共産趣味インターナショナル VOL 1) (単行本)
「共産趣味インターナショナル」なる真面目か冗談かわからないシリーズの第1弾を謳う本書は、東西冷戦終結後も鎖国・スターリニズム型抑圧体制を崩さず、当時「歴史の終わり」なんてどこ吹く風とばかりに超然としていたアルバニアを扱った珍しい本である。あのころ、怒涛の如き歴史の激変を、遠い世界の事ながらに肌で感じたものだった。ルーマニアのチャウシェスクが民衆に虐殺され、ラファエル・クーベリックがプラハで『我が祖国』を「凱旋」演奏し、最後の東ドイツ大統領(何て言ったっけ? クレンツ?)がベルリンの壁から西側へ逃亡していく民衆を「お〜い待ってくれ」と言いながら(?)見送っていたときの情けない表情とか・・・・・。 英語を解さない評者にとっては、アルバニアの情報に関して言えば鎖国国家に住んでいるも同然であるため、この国のあれこれはほとんど知らない。そうした興味から本書を手にとってみるに、これは色んな情報の「闇鍋」のようでもあり、その雑多さが魅力的といえば魅力的だが、学術的にはいかがなものかといえばいかがなものかというところ。 著者はアルバニア語学を専門とする研究者であるから、「学術的にはいかがなものか」と言えば申し訳ないが、これは「アルバニアの雑学事典」というようなものであって、しかも「国際都市」のティラナを中心にした都市伝説集といった結構である。 「サッカーの王様ペレはアルバニア文学の愛読者」(!!)であるとか。 日本でも比較的読まれているアルバニア語の作家イスマイル・カダレを、ペレは愛読しているというエピソードには、ペレへの尊敬を新たにした次第。人生の旅人・ナカタ君もそのうちこういう話もして欲しいものだ。カダレは世界文学のなかでは押しも押されぬ大物であるが、ニッポン国では翻訳も色々とあるのにマイナーな存在にとどまっている。まあそのうちノーベル賞を取るだろうが。『夢宮殿』や『砕かれた四月』は読んだ記憶がある。 また、かのマザー・テレサがアルバニア人であるということは全然知らなかった。これは当方の認識不足、無知であろう。
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