アッシリアとエジプトを舞台に、人間の卑小さと一瞬の輝き、そして大いなる恐怖が描き出される3作品が収録されている。解説で小池一夫氏が「良い意味で翻訳物の味がある」と評価していたが、まさしくそのような印象を受ける。何の予備知識も無く読み始めたら、恐らく外国作家の小説を巧みに翻訳した作品のように感じるのではないか。その位本格的なHPL物。和製クトゥルフというとどうしてもヒーロー、もしくはエロが前面に出てしまうのだが(私の選択が良くないのか)、この作品はHPLの作風を忠実に継承している。しかしアルハザードはHPLの分身的人物のはずで、こういう風に薄汚い悪党として描かれるのはどうなんだろう・・・?魔道書「ネクロノミコン」の有難味は少々薄れてしまった(笑)