RADWIMPS、2年3ヶ月ぶりのニュー・アルバム「アルトコロニーの定理」。
このタイトルとラジオ等で先行して流れていた「タユタ」や「雨音子」を聴いて思ったのは
次のアルバムはシリアスになりそう、ということだった。
今まではアルバムの中に遊んでる曲やユーモア溢れる歌詞で
シリアス一辺倒にならないように工夫してたと思うのだが、今回はとても重い、人生を賭けるような作品になると思った。
そしてそれは現実のものになった。一切の小細工はなし、RADWIMPSの核の部分を思いっきり描いた相当の勝負作である。音もかなり洗練されている。
だから、とても密度の濃いアルバムとして結実したように思う。
一曲目の「タユタ」からジブリかと思うような神秘的なメロディが溢れてくる。
「おしゃかしゃま」では人間そのものに対する強烈な風刺を描いて
「謎謎」の打ち込みも取り込んだ壮大な美メロ、
「ソクラティックラブ」の過剰なまでのメロディとアレンジは刺激的。
「雨音子」や「七ノ歌」はスタンダードな、歌いやすいメロディで愛を賛美する歌。
特に「七ノ歌」は海外のロックバラードの感触に近く、マシンガンラップも(静かに)冴えている。
「バグパイプ」や「魔法鏡」あたりは普段のRADWIMPSに近い、突き抜けるようなギターロック。
つまりは1曲1曲の存在感が際立っている。童話のように人間の生誕を想像する「オーダーメイド」もアルバムの一部になったようである。
一曲一曲に存在する意味があるような、必然を感じさせる作品でした。
気軽に聴けるかどうかは、その人次第な気はするが
個人的にはとてもきれいなアルバムだと思った。 どの楽曲もキラキラ輝いていて、まぶしい。
歌詞の一つをとっても、一曲における言葉数の多さを考えても
間違いなくとてつもない思想が宿っている作品だと感じた。「人間自身」に徹底して焦点を絞っている。
それでいてサウンドはスコーンと突き抜けたものになっているのが相反していて面白い。
時間をかけてじっくり作っただけの事はある。
ちなみにブックレットの中身はほぼジャケットと同じ写真の切り貼りになっている。一部絵もあり。
長く聴いていくうちにどんどん好きになっていけるような、そんな予感のするアルバム。傑作だと思います。