中森明菜がメジャーで活発な活動を再開し始めてから、この頃のアルバムを買い始めました。「原始~」が良いのはもちろんですが、2曲目のSunflowerなど、この人にしか出せない突き抜けた明るさ(その背景に暗さや重さがあるからこそ出せる特殊な明るさ)が、出ている。そうか、不遇の時代に、もうここまで来ていたんだ。と、感無量でした。この曲がカラオケにあったらいいのにな。
また、9曲目の「だからなんなの」は、脱帽。こんな低い声が出せる人っていないでしょう。最近はもうこういうハードロック路線はやらないのかなぁ、Appetiteや、シングルカットされなかった候補曲を集めた昔のアルバムの中から今でもイケそうな曲をピックアップして、ハード路線をおもいっきり集めたのもやってみてほしいなぁ、と思ってしまいます。少女のツッパリじゃない、大人の女の凄味と色気と包容力を表現したハードロックなんて、この人にしかできないと思いますもの。
逆に、ああ、不遇の時代だったんだなぁ、と涙が出てくるのが5曲目の「したたる情熱」。この歌詞、まるごとストーカーやんけ。これって世間が「中森明菜」に抱いている意地悪な興味に迎合したとしか思えませんよ。非人道的です、これは。中森明菜は、この時期、楽曲がもらえるならばなんでもこなそう!と、必死に腹をくくって歌ったのではないでしょうか。あんた偉い、根性あるなぁ。と、聴いてて涙が出ます。もしもこの曲を本人が嬉々としてやっていたなら、「道化」として自己決定した意志は凄い、と尊敬もしますが・・・たぶん違うだろうな。
この人物のアーティストとしての力は、本当に上質な音楽性と精神性を備えた人々と組んで、伸び伸びと発揮してほしい、輝いてほしい、と願わずにいられません。彼女の不屈の精神に、星5つ。