読後のこの満足感は
ラルフ・ビンスの資金管理大全 (ウィザードブックシリーズ)以来です。
内容は、出版社のサイトにもありましたが、
トレーディングシステムの開発と検証と最適化 (ウィザードブックシリーズ)のアップデート版です。1991年に出版された前著がアメリカで2008に改訂されたものです。
日本語版の「アルゴリズムトレーディング入門」という名前だけでこの本を買うとある意味違う買い物をしてしまいます。
日本では、アルゴリズムトレーディングというと機関投資家などが1カイ2ヤリのスキャルピングをやっていたり、大量の注文を市場価格を動かさずに捌く発注システムを連想しますが、著者のロバート・パルドは、アルゴリズムトレーディング=システムトレーディングという意味で使っています。もしかしたら、私が知らないだけで、アメリカではそういう認識が一般的なのかもしれません。
内容はトレーディングシステムの検証法で、ウォークフォワードテストの実施の方法がメインです。
トレーディングシステムの開発法については書いてありません。
トレーディングシステムを開発できる人が、それを使って実際にリアル売買をして良いかどうかの判断をしたい時に、まさにその時に非常に役に立つ本です。
この本を読んでしまったら、もう完全ウォークフォワードテストをパスできていないシステムは実戦で使おうという気にはなりません。
システムを作成したが、フォワードテストでは全然成績が良くない、或いは実運用をやったら検証結果と違って全然儲からないという人も多いかと思います。
そういう人こそ読むべき本だと思います。
私は、読んで良かった相場本のベスト5位には入る本でした。
週末にトレードステーションでPPを計算するシステムを作ってみました。
PP(Potential profit)=完全利益で、全てのスイングの底で買えて、全てのスイングの天井で売れた場合の理論上の完全な売買による損益曲線と自分の損益曲線の相関係数を計算して、実際の価格スイングのどのくらいを自分のシステムが捕らえているかを数値化するものです。
作ってみてわかったのですが、これって損益曲線を線形回帰分析してRSQと標準誤差を計算するのとあまり変わんない気がします。
考え方は面白いですけど。
目的関数として登場するPROMはラルフ・ビンスのPRRと変わらないですね。
割り算で計算しているか、引き算にして証拠金に対するリターンで表しているかの違いです。
個人的にはビンスのPRRの方が好きです。
ビンスの資金管理大全には確か載っていなかったので、PRRについて知りたい人は
投資家のためのマネーマネジメント ~資産を最大限に増やすオプティマルf (ウィザードブックシリーズ)を読む必要があります。
PROMもPRRもトレード回数が少ないと悪い数値になるところは素晴らしいです。
システムトレーダーはこういう評価法こそ使うべきでしょう。
例えばPF(プロフィットファクター)3のシステムでもトレード回数が20回では信頼できるPFの値とは言えません。
PF3でもトレード回数が1000回なら信頼できます。
PFの計算にはトレード回数が加味されていないから誤って使っている人も多いかもしれません。
このような良書をきっかけに、PROMやPRRでシステムを評価する人が増えてくれば良いと思います。