この本の一番重要な点はコンピュテーションを通してデザインや建築の真の新しさとは何かということを追求している点である。
コンピュータの現在の使われ方はコンピュータライゼーション(:手作業でしていたものの機械化)であるのに対し、
それではコンピュータの持つ計算可能性を充分に活用しておらず、道具を使いこなせていない。
コンピューテション(計算)という過程をデザインの中に取り込むことが大切である。としている。
人間は道具をつくり出し、道具が人間をつくり出すとした時の、
我々がコンピュータに対して本質的に持つべき認識が書かれている。
人間がコンピュータという道具と相乗効果を生み出すことによって
人間が自分たちの思考の限界を乗り越えようとし、事実として乗り越えることができている。
という人間とコンピュータによる生成の話しは書かれているのだが,
コンピュテーションを用いて得られる膨大な量の解の評価(もちろん評価は人間にしかできない),
つまり人間が人間の志向の限界を超えたときに他の人間はどのように評価するべきなのかや、
アルゴリズム自体のクオリティについての検討も本書では詳細には書かれておらず、
今後のアルゴリズミックデザインの課題も伺える。
これまでの人間の思考の限界を超えるためのアルゴリズミックデザインの基本的概念がまとまった本であり、
I世代(インターネット世代)からC世代(Code世代)への移行を示唆する非常におもしろい本である。
建築のみならず全てのデザイナーが考えるべきことが書いてあり,読むべきである。