アルコール症の人もよく受診している精神科医です。
世に数あるアルコール症の解説本は基本的な思考の迷路に陥っている。それは「適度な飲酒」が存在すると仮定していることです。この本は「適度な飲酒は存在しない。」と主張している。
よくよく思い出してみたら、最初の飲酒から「酒ってホントにおいしいな」と思ったでしょうか? 私は苦くてまずい、と思ったものでした。その後、かなり飲めるようになった。この本は「おいしいと思いこんでいるからおいしく感じる」のみ、という主張です。
「飲酒量が少ない方が健康が増す」という例は、ゴルバチョフ時代のソ連で酒税を上げた時期にロシア人の有病率が減った話、生まれてから酒を一滴も飲まないモルモン教の男性の平均寿命は北米の男性の平均寿命より10年も長いこと、が挙げられています。
のどの渇きを癒すために酒を飲むとアルコールの利尿作用のためにまた口渇が行進すること、も詳しく言っており、うなずけるところです。
アルコール症の治療のためには「アルコールは百害あって一利なし」と高らかに歌うのが良い、と思い至った一冊です。