70年代のその時代の色が出ている作品なので、
現代の人が読むと古く感じると思う。
推理ミステリーではなく、小説っぽいです。
前半はある女子生徒の中絶死、そこから中毒事件、
殺人事件へと事件が次々と移行していき、
中盤は刑事による事件の推理、後半は供述となり、
結尾で事件発端の前提があきらかになる。
犯行のトリック自体に驚愕させられることはないし、
中盤で事件解決につながるヒントや目撃者が出てきてしまうので
「あーあ、なんだ」と思ってしまうことが多少あるが、
供述が覆り覆りを繰り返す場面はなかなか面白い。
行為自体は残酷なのに、犯人や犯行動機が
不謹慎だがとてもすがすがしいのが不思議だ。
青春時代独特の純白さ、若さゆえの思慮のない残忍さ、
それでいてどこかすごくシビアで直接的であったり、
様々な矛盾が面白い。
結尾は大きな議題を投げかけて〆る。
歴史的、政治的な人間の真理を考えさせられ、
タイトルの意義を痛感します。
高校生・セックス・中絶・結束団・総括、などを織り込んだこの作品は、
正義を模索する当時はセンセーショナルだったと思う。
ベストセラーで江戸川乱歩賞を受賞した理由は想像できる。
当時ものとして読めば楽しめると思うが、現代の人が現代の感覚で読むと、
言葉遣いも設定も価値観も古臭く感じてしまうので、
現代っ子にはウケはよくないだろう、と思う。