本書は小説ではない、まして“トンデモ本”でもない。ある人が書店で見かけたら帯のフレーズにギョッとするかもしれない、「それでも人はUFOを求める。」とデカデカと書かれているのだから。
田口ランディの著作を手に取ったのは初めてだった。どんな文章を綴る書き手なのか興味があったが、なかなか気になるものがなかった。私は“UFO”というフレーズに偏見はない。だからか「田口ランディはUFOも語るのか?」といった軽い気持ちで今回読み始めた。
ルポルタージュのようであり、エッセーのようでもある。著者の葛藤や疑問、確信などを包み隠さず吐露したような作品なのだろう。“UFO”というフレーズは全編を通して登場するが、それに焦点を当て過ぎたものではない。スプーン曲げ能力者たち[清田益章,秋山眞人,ユリ・ゲラー]を皮切りに「カントとスウェーデンボルグ」「シャーマンと幻覚キノコの変性意識」、トランスパーソナルやスピリチュアルといわれる世界に足を踏み込んだ著者の半生の記録だ。本書内でも触れられている森達也の
『職業欄はエスパー』を読んでいるような感覚に似ている。“UFO”を軸にした「心と意識の探究ルポ」だ。