以下ネタバレです。
________________________________
ナルミの扱いが酷すぎる。
今回は作者が前作(「アリーズ無印」)で一番好きだったというナルミ(ポセイドン)が準主人公、かつ主人公の婚約者という設定であり、主人公にとっても重要なポジションにいたにも関わらず、ストーリー上では端役で、「運命」以外の理由をもたないショウ(ハデス)に美味しいところを全部持って行かれてしまう。
「アリサを愛している!」と前巻まで繰り返し発言していたナルミが、この巻でなんと、自ら婚約破棄。
そして結局、大して魅力も無く「運命」以外で押せるところがないアリサは、能天気なままショウのもとへ。天才バイオリニストという設定も、全く生かせていない。「前世から続く愛のためにバイオリンも捨てるの!」という乙女な発想なのかも知れませんが、バイオリンを(趣味レベルですが)弾く者として、バイオリンをちっとも愛していない天才バイオリニストが前世の愛を選ぶ…なんて…
なんだこりゃ、です。
ストーリーも「地球のため」「自然環境を守る」と言う、曖昧なテーマに終始して焦点がぼやけてしまい、作者が何をアピールしたかったのかが分かりません。いったい何故、ガイアやウラノスが出てきたのか?前作で個性が際立っていたキャラクターから、あらゆる毒気が抜けて、「みんなで良い子ちゃん」のまま、話は終わり。
唯一良かったのがヘカーテが前世の縛りから抜け出て、新たな幸せを見出したこと。いつまでも前世に縛られて進歩出来ないアリサの100倍、前向きな女性に見えました。(と言っても、今作のアリサに比べて、という意味であり、多くの漫画で描かれる前向きな女性たちに比べれば、目立たないでしょう)
10巻まで続いて最後がコレか、とがっかりしました。この作者の作品は二度と買いません。
とにかくナルミが可哀想。気の毒でなりません。前作でも今作でも、作者が好きなキャラなのに、全く報われない。ただ、アリサとショウのShow Timeに使われた哀れな男です。ギリシア神話のポセイドンに申し訳ない、とは作者は思わないのか、と首をひねるしかありません。