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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
アメリカン・ドリームの終焉,
By il codino (千葉県浦安市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アリゾナ・ドリーム [DVD] (DVD)
クストリッツァファンにも関わらず、93年ベルリン映画祭の銀熊賞受賞の本作品を恥ずかしながら未鑑でした。 DVD販売を機に迷わず購入してじっくりと鑑賞―クストリッツァ監督の当時のアメリカ観が 反映されている印象を受けました。ゴラン・ブレゴヴィッチの素晴らしい音楽、突飛にも 思えるけどクストリッツァ作品お馴染みの動物たちの躍動、出演陣の活き活きとした演技 には大満足。ジョニー・デップはかなり特異で秀逸な演技を発揮しており、デップファン 必見ではないでしょうか。リリ・テイラーもお見事でした。 クストリッツァ作品に馴染みが薄ければ、少々面食らうこともあるかもしれませんが、 とにかく無になってこの映画を浴びてみてください。そうすれば魅惑されるのではない でしょうか。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
魂の飛行、夢の涯までも・・・!,
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レビュー対象商品: アリゾナ・ドリーム [DVD] (DVD)
魚になりたい男:アクセル(ジョニー・デップ)鳥になりたい女:エレイン(フェイ・ダナウェイ) 亀になりたい女:グレース(リリ・テイラー) 『パパは、出張中!』『ジプシーのとき』でその名を映画界に知らしめた旧ユーゴスラビアの俊英、エミール・クストリッツァが、アメリカ・アリゾナを舞台に描く、相も変わらずファンタスティックな人間悲喜劇。 NYの漁業局で働くアクセル(J.デップ)の夢は、アラスカでオヒョウ(カレイ科の大きな魚)を釣り上げる事。そんな彼のもとに、悪友のポール(ヴィンセント・ギャロ)が叔父の使いでやってくる。アクセルの子供の頃のヒーローだった、叔父のレオ(ジェリー・ルイス!)は故郷アリゾナでキャデラックのディーラーをしている。アメリカン・ドリームを信じる叔父・レオの夢は、いつか月まで届くくらいに車を積み上げる事で、アクセルに自分のビジネスを継いでもらいたいと考えている。一方、デニーロやケーリー・グラントの物まねが得意な悪友・ポールの夢は、映画俳優だ。 いやいやながらポールに連行されたアクセルは、叔父のカーショップで美貌の未亡人・エレイン(F.ダナウェイ)と、自殺願望のある義娘グレース(L.テイラー)と出会う。エレインの抱くアメリカン・ドリームは空を飛ぶこと。グレースの夢は亀になること。エレインに一目惚れしてしまったアクセルは、彼女の夢、飛行機作りにお熱になるのだが、破滅的なグレースにも心惹かれてゆき・・・。 クストリッツァがコロンビア大学で教鞭を執っていた時に、学生だったデイヴィッド・アトキンズが書いた脚本を気に入り、映画化。撮影はクストリッツァのデビュー作以来のコンビ、ヴィルゴ・フィラチ。東欧から一転してアメリカを舞台にしても、クストリッツァ節は健在。冒頭・アラスカのエスキモーが釣り上げたオヒョウの胃袋で作った風船が、風に乗ってニューヨークへと飛来するオープニングにはじまり、国道沿いに杭で突き立てられたキャブの列、そしてアクセルの分身(?)とも解釈できるオヒョウが、アリゾナの空中を遊泳するイメージシーン、グレースがストッキングで首吊りをしようとすると、ビヨ〜ンと伸びて上から下へ行ったり来たり、エレインが自分の夢を語るうち、テーブルやイスと共にぐるぐる回りながら宙に浮かぶなど、クストリッツアお得意の浮遊感あふれるファンタスティック・ワールドが展開。盟友・ゴラン・ブレゴヴィッチの音楽で、アリゾナの大地は東欧の息吹で満たされる。 まだ若きヴィンセント・ギャロが映画オタク青年を好演していて、ほとんどひっきりなしにデニーロ風のしゃべり方をしているだけでなく、映画館の壇上に上がって『レイジング・ブル』の物まねをやって場内からブーイングを食らったり、テレビで『ゴッドファーザー』を観ながら全部のセリフをひとりでしゃべりまくったり、エレインが操縦する飛行機に追いかけられ、『北北西に進路を取れ』のケーリー・グラントの気分であたふた逃げ回るなど、タランティーノの映画を連想してしまうような笑っちゃうシーンも。 この映画は、「アメリカン・ドリームの終焉」とその「夢の墓場」を、異邦人であるクストリッツァの目線で描いた物語と言われている。物語は確かにアイロニーに満ちているかもしれないが、この映画を単純に語ることは難しい。きっかけはアトキンズの脚本だったかも知れないが、撮影の最中に脚本はどんどん書き直され、膨らんでゆく。そして、この映画が撮影されている最中の'91年に、クストリッツァの故郷・ユーゴスラビアでは民主化に伴った民族紛争が起こり、内戦状態になる。故郷を案じるクストリッツァは監督をする精神状態ではなくなり、撮影が中断することが何度も起こり、製作が危ぶまれた事もあったという。最初に完成したラフ・カット(粗編集バージョン)は4時間にも及んだ。 この映画は、夢の終焉という苦い結末が待っている。叔父のレオは服毒自殺を図り、二人の女性・エレインとグレースの狭間で浮遊していたアクセルも「夢」から醒める時が訪れる。が、それはただのニヒリズムを伴ったラストではないと思う。そこにはクストリッツァ自身の、故郷への思いもないまぜになり、苦渋の中に一抹の夢のかけらが、まだ光っているのだと筆者は信じる。そうでなければ、レオが乗った救急車は、なぜ月へと飛んでゆくのか。そして、飛行機の力を借りなければ空を飛ぶことができなかったエレインを尻目に、オヒョウはなぜああも軽々と浮遊していくのか。 夢の涯の、そのまた涯までも。クストリッツァの、そしてジョニーの魂は、飛んでゆく・・・
14 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
亀になりたい,
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レビュー対象商品: アリゾナ・ドリーム [DVD] (DVD)
この映画は兎に角長いのですが、長さを感じさせないほど、素晴らしい映画でした。異色的な映画を作る、エミール・クストリッツァ監督作品。映画の始まり方も、終わり方も、不思議な感じがしました。 ジョニー扮するアクセルは、年上の未亡人、エレイン(フェイ・ダナウェイ)に恋をします。彼女の夢は空を飛ぶ事。アクセルはエレインの為に、飛行機作りを手取り足取り手伝います。 エレインは、義娘のグレース(リリ・テイラー)とも暮らしていて、アクセルも加わった不思議な生活が始まります。エレインの夢はカメになる事。 みんな自分の夢の為に、毎日必死で生きています。その姿が痛々しくも感じます。 私がお気に入りのシーンは、ビンセント・ギャレ扮するポールが、エレインが作った飛行機相手に「北北西に進路を取れ」の場面そっくりに逃げ回る所です。笑えます。 最後はびっくりする結末です。観てのお楽しみです。
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