まずアラン・レネの作品は、非常に対象的に配置されている。
「ゴッホ」「ゴーギャン」は何となく観ていても安心出来る傑作短編映画。
それほど知識がなくても何となくその画家の人となりがわかるようになっている。
その2作品の間に配置されている「ゲルニカ」は、不安を掻き立てるプロパガンダ映画のような構成。
もちろん恣意的に行っているのであろうが、導入からしてナチスドイツや旧ソ連の
プロパガンダ映画を思わせる堅い作り。最初から不安を煽り立てられる。これはこれで楽しめる。
あとの2作品はドキュメンタリ映画の新旧を観ているかのようであった。
次にゴダールの作品について。構成が最初から読めないところと事の顛末が想像つかない
ところ、そして"対比の論理"を明確に打ち出しているところがいかにもゴダールらしい。
「水の話」はトリュフォーも絡んでおり、セリフの中でもはっきりと対比の論理を出して
いることから、他の2作品よりも論理性が強く感じられる。
他の2作品のうち「男の子の名前はみんなパトリックって言うの」は有名ではあるが、観たことの
ない人は多いと思われる。おしゃれな中に眠っている不思議で考え抜かれた話。ここが
ゴダールのすごいところであろう。
「シャルロットとジュール」は、男性の独り言でほとんどが構成されており、オチを含めると
まるで昔の無声映画のようで笑える作品であった。
短編集で全体を通して2時間ぐらいあるが、飽きずに最後まで観切れる傑作として仕上がっている。
お勧めです。