宇江佐さんの語学時代もの(?)
『おうぇねすてぃ』とちょっと系統が似てるのかな。
お柳はもともとは江戸生まれですが長崎に育ち、
語学に堪能な父の影響で女ながらにフランス語を身につけます。
そんな彼女の初恋の相手は榎本武揚でした。
お柳は思慕止みがたく女性でありながら男装してフランス通詞として、
榎本やお雇い外国人のフランス軍人達と北海道まで同行します。
お柳は妻がいた榎本と正式に結ばれることはなかったけど、
そんな形式なんかどうでもいいくらい、互いに心の底から深く結びあっていた。
時代物を手掛ける作家さんは多いけれど、
男女の情をさりげなくも生き生きと、情感込めてふくよかに描けるのは
宇江佐さんならではの持ち味ではないでしょうか。