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おそらくアカデミズムの世界では、新たな情報や視点は本書の中には見出せないだろう。しかしながら、現ブッシュ政権の単独主義的対外政策に驚き失望している人が多い中で、「そうした対外政策の事例はアメリカ史の中にすでに多数存在しており、むしろ伝統との整合性により着目すべき」と論じることの意義は小さくないと思う。とりわけ第4章の「保守主義」においては、もともと定義が曖昧な「保守主義」という概念を、「ヨーロッパからの継承」という側面と「アメリカの建国以来新たに加えられた特徴」という側面から分析し、時代とともに「保守」の意味するものが変化してきた様を歴史的に解説しているのは、近年のネオコンや共和党右派に対する単純な見方を修正させる啓蒙的意義を有していると思う。
時事問題に対する歴史的な裏づけを提示し、アメリカ史への興味と理解を深めさせる本書のような啓蒙書はもっと世に多く出るべきである。
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