ロースクール時代にお世話になった本。コンパクトだし良くまとまっていると思う。
ただし、どんな教科書であっても同じことであるが、読み方としてこの本に書いてあることが全てとは思わないほうがいい。
概説書ではあるので、説明が簡単すぎないかという箇所もある。
また、いくつかのポイントで、私がロースクールで聞いたる判例の整理とこの本の説明による整理が違っていた。(たとえば、「看板理論」関連判例の位置づけ)
アメリカ証券法・証券取引法に関して日本語文献で手に入るものは、黒沼教授と同様の整理をしているものが多く、通説としては黒沼教授の本の通りかもしれない。しかし、私が講義で使用したケースブックの著者Cox教授、Langevoort教授も、当地にてマイナーな存在ということではないので、一概に黒沼教授の説を通説と言い切ることもできない。
このあたり、読み手には、更なる研究の余地が残されていると言うことだろうと思う。
昨年LexisNexisの概説書シリーズの翻訳がでて、そちらの方がより丁寧に判例を拾っていることや、叙述が丁寧と言うこともあって、読む優先度としては、そちらの本の方が先かもしれないが、コンパクトであるという点を持って本書は勧められる。