この本はお勧めです。日本史、東南アジアの歴史が得意と思われる著者が、アメリカという国を「わかろう」と試みた作品です。このことは前書きに書かれていて、アメリカに行ってくれといわれて困った様子からはじめられています。アメリカは白地図であると。この作品の面白さは、著者が白地図に色をつけてゆく過程を味わえる楽しさであり、知的興奮にあります。韓国移民、ベトナム移民、WASPとアメリカという広大な文明が懐に抱いている文化と比較しながらじっくりと発酵させてゆくように論じられています。前半はカルフォルニア。後半は東部に回って、フィラデルフェア、ニューヨークの黒人文化。日露戦争のポーツマス、ボストンを回り、白地図に絵が描かれてゆきます。外国にいった人が外から見たら日本が分かるといいますが、読み終えてアメリカと日本を比較してその違いが鮮明になったように思えました。アメリカと関係したお仕事をしている方にはお勧めです。20年ほど前の本ですが、原型を捉えようと試みられた作品ですので古さは感じられません。