いまや世界唯一の大国にて世界秩序の警官を任ずるアメリカが、国内の様々な対立、人種問題、女性問題、宗教問題などにより国内を二分する内戦状態に陥った近未来を舞台にする。現地取材に訪れた日本人の青年ジャーナリストの視点で描く。
アメリカという世界に君臨していた巨大パワーが突然なくなったという世界情勢下で、アメリカが元々抱えていた矛盾点が内戦という形で一斉に噴出したら、というシミュレーションとも取れるが、そうした大局的な視点が直接的に描かれる訳ではない。
背景設定が大がかりな割に、登場人物は多くはなく巻き込まれ型のストーリーも平板、全体にあっさりした印象。ひょんなことから取材行に同道するイタリア人女性ヴェロニカの著者ならではの生き生きとした描写やガイドとして同行する日本人義勇兵結城の凛とした姿が印象的。