本書は正統派経済アナリストの藤原直哉氏が毎週発行しているニュースレターで、2年程前から警告し続け、ついに現実のものになってしまった”世界大恐慌”を読者の納得のいく迄、解説し、これからの激動の世の中を私達がどのように生き抜いていったら良いのかを教えてくれる必読の本である。
著者は元投資銀行ソロモン・ブラザーズ勤務の経験などを基に、かねてよりデリバティブや証券化商品等「金融工学」なるものの底の浅さと愚かさ、そしてそれが、金融破壊兵器になり得る恐ろしさを警告し続けていた。インベストメントバンカーのモラルなき貪欲な拝金主義の文化を身を持って知っているだけに、著者の説得力はとてつもなく重い。
著者が毎週発行している「ワールドレポート」を私はこの14年間欠かさず購読しているが、現在に至るまでの経済・金融・政治・社会の流れを、世間が気がつく数年も前から、予測し、警告しながら、多くのトレンドを見事なまでに当て続けてこられて来ただけに、本書から得られる知恵は貴重なものである。
著者は「既に世界恐慌に入ってしまった」と断言すると共に、恐慌が去った後の世の中に向けてどのように生きてゆくか、この日本をどう再生するかについて力説している。
本書はビジネスパーソンのみならず、これからの日本・世界を担う若い人々に是非、読んでもらい藤原さんのメッセージを心からかみしめてほしい。
なお、本書の読者には、著者と親交の深いラビ・バトラ(30年前に2000年までにソ連が崩壊するとの予測を的中させ、2010年までに今の資本主義が崩壊すると予測した異端の経済学者)著の「2010年資本主義大暴烈! 近未来10の予測」と、朝倉慶著「大恐慌入門」も是非、併せて、読んでいただきたい。
これらを読めば、今、世界で起こっていることの真相と全貌がわかるであろう。
なお、上記の本についてもレビューを書かせていただいたので、ご一読していただければ幸い
である。