文字通りアメリカ海兵隊のドクトリンを抜き出したエッセンスと言うべき本。
本来はこのほかに10冊くらいあるらしい。
第一部、『WARFIGHTING』この中で特に語られているのが『Maneuver Warfare』普通に訳すと『機動戦』になるんだけど、時空間にのみ偏る恐れがあるのでこの中では新たに造語として『機略戦』と訳されている。
……なんかこれかつての日本陸軍の『独断専行』と同じ事言ってるんだけど。
時代も組織も違うからまったく同じとは言わないけれど、方向性が同じように思える。
・機を見て最大限の効果を求めよ。 トップの判断が下るまで時間がかかるから、可能ならば自分の範囲内で即断実行すべき。奇襲効果は最大の優位。
・全体を攻撃するのは効率が悪い。 要点を攻撃する、あるいはそれを支える要素を攻撃することで混乱に落としめて継戦能力を奪うべし。
・『機動』を持って時間と空間の利を得よ。 分散と集中をもって戦力の優位を作り出せ。
・反応を予測し対処せよ。 『欺瞞』、『要素の不確定』、『内密』をもって優位を得、スピードによってそれを維持せよ。
浸透戦術で弱点を探り、現場指揮官の判断で戦果を拡張と消耗の抑制するよう進めた日本軍と、
それと対峙していたアメリカ海兵隊が廻り廻って同じ根幹に至ったというのは皮肉なものだ。
もともと陸海両用戦隊だったせいか重装備の少ない軽装師団としての要素が出ているように思える。
二部では日本の作者が現在の海兵隊の説明を行っている。
先に上げたドクトリン、組織、装備について簡単に上げているがまぁ普通。
軍事入門書を2,3冊読んで、次にこれを読んで、次に週刊オブイェクトあたり見れば沖縄基地問題は概ね理解できるんじゃなかろうか? そういった面から考えると軍事初心者や中級者の沖縄問題が気になる人は読むべき。
ビジネス書としてもOODPサイクルの所などは「孫子の〜」とか「クラウゼヴィッツの〜」とか「五輪の書」とかそういった物と同程度には参考になるかな。 つまり曖昧で原則的すぎて言い替えがいくらでも出来、基本の確認にしかならないという意味だが。