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アメリカ大統領を、その国家元首としての権威性(第1章)、戦時総司令官としての権力性(第2章)、選挙制度(第3章)、指導者としてのリーダーシップ(第4章)、支えるスタッフ・機構(第5章)、といった側面ごとに歴史的変遷を踏まえつつ俯瞰し、さらに21世紀型大統領制を展望する(第6章)のに、本書は格好の概説書だと思う。
著者によれば、内政・外交全般にわたり強力な存在感を発揮した「現代大統領制」は70年代後半以降、権威の失墜とそれに伴う議会の巻き返し、有権者層の流動化、政府介入を是とするリベラリズムの退潮等の要因から急速にその基盤を脆弱化させ、その傾向は冷戦構造崩壊後のクリントン・ブッシュ両政権下でも基本的に変わっていないのだという。
もっとも(今後の展開にもよるが)2004年大統領選の結果を見る限り、凝集力の強さを誇る支持勢力と議会内共和党に支えられたブッシュ政権は、少なくとも内政面では強力な権力基盤の再構築に成功しつつあるようにも見える。著者はブッシュの支持勢力を「社会の少数派」だと斬って捨てるが(p209)、これは少し過小評価だったのではないか。
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