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25 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
アホで愉快だが近づきたくはない存在、そんなアメリカ,
By
レビュー対象商品: アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks) (単行本(ソフトカバー))
アメリカ人を「アホだ」と言い続けている人は僕の寡聞ではアメリカに一人、そして日本に一人いる。前者が あのドキュメンタリー監督マイケル・ムーアであり、後者がコラムニスト、映画評論家で本書著者の町山智浩 だ。本書はオバマによる「チェンジ」を遡るところ三か月、暗黒のブッシュ政権の末期に出版されたエッセイ集。原理主義国家というと日本人はすぐ大陸の向こう、イスラームの世界の方に視線が行ってしまうが、むしろ回れ右して太平洋の向こうを眺めてみよう。実は我らが同盟国、アメリカだって聖書に厳格であろうとする福音派が全体の30パーセントを占める「原理主義国家」なのだ。本書は宗教、戦争、経済と格差社会、政治、メディアといった順に、アホなアメリカがいかにアホなのかを、実際に起きた事件、著者の本領である映画の数々を批評する形で教えてくれる。 おそらくすべての根本には、主に序章と一章で語られる反知性主義があるのだろう。アホであり続けようとしているのだから、アホで当然である。ウォール街で颯爽で活躍する証券マンやニューヨークタイムズの敏腕記者、あるいはサンデル教授のハーヴァード白熱講義で白熱するインテリ学生なぞ、僕ら外国人のステロタイプに過ぎず、本当は中西部にすむ「ふつうのアメリカ人」がよっぽど多いのだ。 他の評者が疑念を呈している通り、本書は少しリベラル派に肩入れしすぎているように感じる。というのも福音派の流すデマゴギーや共和党の政策がアホすぎて、これ自体町山氏による「デマゴギー」なんじゃないかと思えるのだ。それくらいバカバカしい。知識に乏しい僕のような読者はそれを確かめようがない。 たしかに信頼するしかないし多少の誇張が入っているだろうが、真のアメリカを知るための第一歩と考えると、これ以上の最善の本は少ないだろう。各章必ず小ボケで締めくくるおちゃめでアメリカナイズされた町山文体も、読みものとして楽しい一冊。
33 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「生活者が肌で感じたアメリカ社会!!」,
By コビ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks) (単行本(ソフトカバー))
面白おかしく、敢えて笑いを誘うような文体かと思いきや・・・まじめな本じゃないか!!が第一印象。 社会学者やエコノミストに小難しく説明されるより 生活者が肌で感じているアメリカがストレートに 伝わってくる。さすがにコラムリストだけあって 文章も上手、アメリカ社会の本質を「まじめに面白く」 そして誰が読んでも理解できるように仕上がっている。 宗教・政治・経済・メディア・・・ こんないい加減な国に影響されていいのか、国益とは 何か・・日本はアメリカ社会の「影」の部分しっかり 認識する必要がありそうだ。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一般市民の目から見た「素」のアメリカをあぶりだす。町山氏のベストかも。,
By sanjunio (大阪府豊中市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks) (単行本(ソフトカバー))
町山氏の本は大好きなのでほとんど全部読んでいるけれど、いつもメディアや映画の話が主なのに対し、今回はアメリカ社会をどっしりとテーマにそえている。ゆがんだ宗教(キリスト教)から始まり、大義をなくした戦争、グローバライゼーションで格差を広げただけの経済、サイテー大統領ブッシュ、その他諸々... 中身によったら一瞬マイケル・ムーアの本かと勘違いしそうだ。 トピック自体は決して目新しいものではないけれど、取り上げられるエピソードが一般庶民の目から見た操作されていない「素」の声を現していてものすごく興味深い。 アメリカで実際に住んでいてメディアにかかわる仕事をされている町山氏以外日本人でこれを書ける人はいないだろう。 一番おもしろかったのが、コメディアンのスティーブン・コルベアの話。ギャグでタカ派を演じているのに勘違いしたホワイトハウスの役人が晩餐会に招待してしまう。 そこでスピーチのかわりに毒舌ギャグを連発してブッシュ政権を(彼らの目の前で)やっつけるくだりが最高。「私は国民をできるだけコントロールしない政府が一番だと思います。その意味でアメリカはイラクにすばらしい政府を作りました」と無政府状態のイラクを辛辣にとりあげる。こんな権力者たちの前でしかも自分ひとりだけしかいないのに批判をやってのける度胸がすごい。このへんがアメリカの良心なのか。 それぞれの話は長すぎず短すぎずちょうどいい。町山氏の著作のなかでベストかも。
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