アメリカ私法の文献を多数書かれている樋口教授の最新刊。
不法行為に関するアメリカ法の仕組みを、日本法の視点も交えて解説されている。
大変分かりやすく、日本でアメリカ法を研究される方の概説書、留学される方の予習の友には最適なのではないかと思う。
私は、ロースクールでは、不法行為法を履修しなかったので、ロースクールの講義にどの程度耐えるものかは、コメントできない。しかし、日本法との比較がなされている点で、非常に役に立つのではないかと思う。
一方、アメリカのBar Exam対策としてはどうかというと、分量的には多すぎで、且つ足りないところもある。すなわち、日本法との比較はBar Exam対策としては必要ないし(理解を増すという効果はあっても)、一方で、細かいところで試験には必要な要件論が記載されていない箇所もある。
後者の点については、著者の意図がアメリカ法の概念を理解してもらうことが最優先であったからではないかと思う。
不法行為法は、日米の違いが他の法律分野よりもはっきり出るので、比較がとても面白い分野だと思われる。不法行為を履修しない人にも興味があれば読んで貰いたい本。