教育学、社会学の専門家による著作ではなく、
アメリカに暮らすジャーナリストが、
ネヴァダ洲リノのチャータースクールで、
実際に教壇に立った経験をまとめたルポルタージュです。
本書で描かれる最下層とは、
移民の子どもやマイノリティーの子どもであって、
片親に育てられるケースが多く、
基本的なしつけや社会ルールを教えられていない。
著者は愛情をもって彼らに向かい合っていく。
心の交流が形作られて、
教室に一体感ができていく様子が、
教育の価値を改めて認識させてくれる。
実施されている教育のレベルにも驚かされる。
驚くほど低いです。
写真が掲載されており、
リアリティーがある。
著者が教師を辞した後、
卒業した生徒が1人という現実も一方で存在する。
著者の感性、問題意識が本書を素晴らしい内容に引き上げていると思うが、
一方で自分の学歴に触れるくだりや、
契約更新をせず、チャータースクールを去る一連の記述は、
もう少し著者の中で練り上げてもよかったように思う。
アメリカのチャータースクールは、
日本においては地域主体の教育実施の切り札的な位置づけにあるのだが、
本書を読むと、首を傾げざるを得ない。
その点でチャータースクールに関心がある方は必読です。