この映画は、実はフィクションではなく、ベトナム戦争中に実際に起きた米軍による民間人虐殺事件を扱ったものです。
ソンミ村虐殺事件と呼ばれるそれは、米軍史上最悪の汚点とまで評されており、反戦映画としても有名な「プラトーン」で知られるオリバー・ストーン監督が本格的に題材として取り上げた作品を撮影するはずでした。
ですが、軍を始めとする他方面の団体から圧力がかかったために撮影を断念したと言われています。
それほどまでに重大である事件を本作は取り扱っているのですが、
何故オリバー・ストーン監督が断念させられたのに、この映画は公開されたのか?
答えは簡単で、単に話題にさえならないC級映画だからです。
兵士が山中を行軍しているのに、バックパックさえ背負っていないというお粗末な光景は、考証の甘さではなく予算がなく人数分の装備を揃えられなかったからでしょう。
現代でも使用されているので予算さえあれば簡単に揃えられるUH-1ヘリコプターさえ安っぽいCGで合成されています。
そういった映像が全編通して続くため、虐殺シーンを見てもそれが史実であるなど予備知識がない人は一切伝わらないでしょう。
(一応、冒頭で事実を基にしているとテロップが出ますが、それさえ逆に演出だろうと思ってしまうマイナス方向の説得力です)
冗談で撮っているのではないのでしょうが、できることなら多数の犠牲者が出たこの映画は、安易な映像化はして欲しくありませんでした。