1974年に来日した際には、かまやつひろしの『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』(あるよ)やRCサクセションのアルバム『シングル・マン』、翌75年には朱里エイコの『愛のめざめ』(作曲エミリオ)のバックを務めるなど、日本とのかかわりも深いバンド、タワー・オブ・パワー(TOP)。これは、彼らの記念すべきバンド結成40周年に完成された、キャリアの集大成となる作品。プロデューサーとして、エミリオのほかに、フュージョン界の大御所ジョージ・デュークを迎えている。
ステーヴィー・ワンダーやサム&デイヴ、マーヴィン・ゲイ、ジェイムス・ブラウン、オーティス・レディングなどのソウル・カヴァー集だが、選曲は渋めだ。たとえば、1曲目『ユー・メット・ユア・マッチ』は、1968年のスティーヴィー・ワンダーの小ヒット。3曲目『ラヴ・ランド』は、チャールズ・ライト&ザ・ワッツ・103rd(ハンドレッド・サード)・ストリート・リズム・バンドの1970年のヒットといった感じ。また、サム&デイヴの『アイ・サンキュー』をトム・ジョーンズが、そのサム・ムーアがオーティス・レディングの曲を歌ったり、マーヴィン&タミーの名唱をジョス・ストーンが歌ったりと、演出がニクい。
エミリオ・カスティーヨを中心にした「リズム&ブラス」と表わされたタイトなホーン・セクションや音数の多いベース音と、複雑にシンコペーションするドラム・ビートが絶妙なコンビネーションをみせるTOPサウンドは健在。一聴して彼らのものだと判然できる、パワフルかつソウルフルなグルーブ感が黒いうねりとなって、腰とヒザを直撃する。できれば、青春時代のファッションに身を包み、リビングにミラーボールを吊り下げ、曲に合わせて(もちろんバラードではチークを)踊ってほしい。PLAYスイッチを押した途端、勝手に身体が動いてしまうゴキゲンな一枚だ。