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[ほかのイラク本と、どこが違うか?]
●情報の確かさ――著者は商社系シンクタンクのエコノミスト。経済のプロとしての情報と読みがバックボーンにあります。
●手法の新しさ――「実はですね…」といった眉唾なひそひそ話は徹底排除。誰でもアクセスできるような公開情報をもとに、シャーロック・ホームズのような洞察力で真実に迫ります。
●善悪を論じない――善悪を論じてもアメリカがなくなるわけじゃない。まずはきちんと知ることが先決だ、というクールな姿勢が冴え渡ります。
●文章の読みやすさ――学者的な難解さや冗漫さとは無縁のわかりやすい文章。翻訳ミステリーの登場人物を覚えられないという方でも大丈夫!
●日本人が書いている!――アメリカ人がアメリカを分析しても、そこには限界があります。じゃあ日本はどうすりゃいいんだ?という視点は不可欠。本書は、日本人による、日本人のための本格的アメリカ論です。ボブ・ウッドワードには絶対書けません!
登録情報
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著者は、前書きで、あっけからんと宣言する。ブッシュ政権にディープスロートがいる訳でもないし、こまめにワシントンに飛んでいるわけでもない。インターネットを通じて公開されているデータをもとに推論を働かせているだけだ。と。しかし、この著者の推論の的中率は、驚異的だ。氏が無報酬で運営する人気サイト「溜池通信」では、アーミテージリポートの重要性を初めて世に知らせ、ネオコンの影響力をいちはやく指摘し、イラク戦の開始時期を的中した。「特別な道具はありません」といえばいうほど、その腕前に感心するばかりである。
この本を読んでいて感じるのは、「溜池通信」と同じく、ものを見る視線が実に自然で無理のないことである。肩幅の広さに足を広げて自然に立っている剣術家を見るようだ。そして、剣をまっすぐ真ん中に上段に振り上げて、まっすぐに振り下ろす。それで、あの複雑で巨大なアメリカ社会がスパッと切れる。一読をお勧めする。