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この教科書を使って行われることは、あまり詳しくは書けないが、判断に必要な情報をいろいろな方法で集めさせて、その上で検討させ、議論させ、論理的思考力を鍛えさせているようである。歴史にifはないというが、この教科書ではかなりifというものを大事にしていてそのときどきの政策判断が正しかったかどうかを、中高生に議論させている。こういう教育を幼少時から受けていると政治、経済、外交、文化等に対する細やかなセンスが身につき、一つの物事に対しても複数の視点を持つことができるのではないのだろうか。
著者が言うように、歴史教育とは「国家の死活的問題」であり、歴史教科書はその「秘密兵器」である。従ってアメリカでさえ、外国人である著者がアメリカの歴史教科書を手に入れる事には困難を極めたそうだ。
近代の歴史と言えば、日本、アメリカ、中国の関係、とりわけ戦争における対立を避けて通る事ができない。特に今もなお残るアメリカと日本の間の民意の相違は「原爆投下」と「真珠湾攻撃」である。これらに関する記載も興味深い。
アメリカの教科書には、日本の近代化はアメリカが担ったのだという傲慢さが所々に見られるものの、自国の都合のいい事ばかりを取り上げている所がない。そして、客観的な記載がなされている割合が他国の教科書より高い。さらに、日本に関する記載の中に、日本元来の美を愛する心、独自の文化、マナーの良さが取り上げられているのは、今の日本の歴史教科書が自虐的であるのとは対照的だ。
子供に事実のみを伝え、当事者の立場を各自に考えさせるアメリカの歴史教育に、日本は見習う所が多いと感じた。私は本書から、国家の繁栄は私利私欲にとらわれない客観的探求心の度合いに比例する事を学んだ。
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