2000年に出版された旧本書60章に、今般第5部21世紀のアメリカとして2章追加し62章として改訂されたものである。通常我々が読むアメリカ通史とは趣を異にし、アメリカの歴史上キーポイントとなる項目がある。それらのトピックスを米国史研究者が1章ずつ解説するスタイルだ。割り当てられたスペースに各自自由に内容は任せられている。これらのトピックス内容を知っていれば米国史の全体は俯瞰でき、正にアメリカの歴史を知る為の書である。但し本のサイズや本文274ページという制約の中での重要な62事象であるから、各執筆者に割り当てられた3〜4ページに、研究者らしい詳しく真面目な記述であるので、内容が詰め込み過ぎのきらいがある。学生も含めた一般の読者を対象にするのであれば、もう少し読みやすい平易な記述でも良かったような気がする。同じ62章というコンセプトで例えば池上彰氏が書いたならば誰にでも非常に理解しやすい書になったことだろう。 ところで米国史を読むにつけ、米国の建国の理念と、新大陸を急速に膨張発展させたエネルギーの歴史を学ぶも、一方で17世紀初期から始まるネイティブアメリカンとの戦い、土地の収奪、保留地への追放という悲史、或いは黒人奴隷と人種差別の戦い、遅れて来た新移民への排斥、日本への原爆投下、これらの負の歴史の項目が重苦しい。因みに1890年当時に25万人にまで減った先住アメリカン人口が2000年には250万人に回復中だ。特に東部には多くの少数部族がいたので今でも多くの地名が残っている。NY勤務時代にCT州に住んだが、Grand Central駅からNew Haven LineでLong Island Sound沿いを走るが、州境を超えたConnecticutも、下車駅のCos Cobも先住民の言葉だった。