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アメリカの影 (講談社文芸文庫)
 
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アメリカの影 (講談社文芸文庫) [文庫]

加藤 典洋
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

戦後日本とアメリカを根底から問う野心作。
高度成長下の日米関係から、原爆投下、無条件降伏、占領下の新憲法制定など、戦後日本の原点へと遡行し、その精神の構造を鮮やかに提示した、著者の第一評論集。

内容(「BOOK」データベースより)

江藤淳の『成熟と喪失』および一連の占領研究を精細に追跡することで、彼の戦後言説空間への強烈な批判意識とその背後に隠されたアメリカへのナイーブな思いとの落差に、戦後社会の変容を読み解き、また、原爆投下を可能とした“無条件降伏”という思想それ自体を問うことで、日米関係の“原質”に迫る。文学者としての鋭い直観と斬新な視座から日本の戦後をとらえ直した、鮮烈なデビュー作。

登録情報

  • 文庫: 400ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/9/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062900610
  • ISBN-13: 978-4062900614
  • 発売日: 2009/9/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 空満
形式:文庫
 敗戦による「天子様」の失墜や「国家」の解体、そしてアメリカによる占領によっても、日本人の自己同一性は喪失しなかった。この時期の日本人の内面の危機を救ったのは、「国破れて山河あり」の「自然」であった。だが、1960年代の高度経済成長政策により「自然」が崩壊したとき、日本人の内面に真の危機が訪れた。経済成長を至上命令とした国家方針と、そのことから不可避的に生じる自然破壊。生存維持のためには経済成長を求めなければならず、自己回復のためには経済成長の後退を求めなければならないというジレンマの中で、日本人は経済成長を選んだ。それにより自然は崩壊したが、それは失われたのではなく、われわれ自身が殺戮したのである。このトラウマこそ60年代以降の日本人が抱え込んだ正体であり、今のわれわれが悩まされる寄る辺なさの源である。この状況が、庄野潤三『夕べの雲』、石牟礼道子『苦海浄土』、富岡多恵子『波うつ土地』などの作品で分析される。痛切な悲しみを以て同時代のわれわれに迫る評論である。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
敗戦後論をめぐる論争を通じて、いっそう広く知られるようになった著者の作品ですが、敗戦後論に至る流れがよく見て取れる秀作、力作であると思います。著者が敗戦後論の中で用いた「ねじれ」という言葉はこれまでのところ随分と人口に膾炙したようですが、「ねじれ」という問題を取り出した著者の思考の軌跡を辿る上では必読の書だと思います。
吉本隆明という思想家がかつて若かりし日々に、ランボーとマルクスを同一平面で並べて悩んだようですが、同じような作業がここで全く別の文脈で繰り返されているのを見て、とても面白く思いました。
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