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5つ星のうち 5.0
余命宣告を受けた精神科医が、精神障害者の本当の姿を語る,
By 旅の又夢 (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アマリリスは咲いても―精神科医その生と死 (単行本)
本書は18年前の執筆である。しかもそのとき、著者は末期癌により余命を宣告され病床での執筆だった。自分の命が限られているということにより、今書かなければならないとの必死の思いで本書は書き上げられた。一人の精神科医として、それも地方の町医者として、精神障害者と言われる人たちをきちんと理解し、それを世間一般に正しく普及啓発することの大切さが淡々とした中にも、非常に熱く語られている。著者はこの本の中で、往診診療の重要性を述べている。それは、当時の精神科医療の現状が、あまりにも患者の尊厳をないがしろにした劣悪なものであり、また社会が精神障害者に対する偏見に満ちたものであったために、病院受診によっては、理想的な精神科医療を行うことができないという事情があったからである。しかし、18年間が過ぎた今でも、精神障害者を取り巻く環境はそれほど進歩しているとは言えない現状がある。著者が目指した理想の精神科医療、人間社会とはどんなものだったのか、いまだに十分な説得力を持って読む者に迫ってくる。
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