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55 人中、49人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
この手の本の中では抜群に読みやすかった,
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レビュー対象商品: アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書) (新書)
アジア圏に行ってまともな知識人と話をすると宗教観とか日本神話とかの話がでます。何とか正確に答えようと、日本書紀の現代語訳などを手にとってみたのですが、最初の数十ページで挫折。他の歴史書などを見たのですが、無味乾燥なものがほとんど。何かいい本ないかなと、日本に一時帰国したときに見つけたのがこの本です。タイトル通りの内容ですが、どのように神話が誕生したか、どのように語り継がれ、どのように書きかえられたか、日本書紀と古事記の編纂の違いなどが丁寧に書かれてあり、目からウロコでした。この本をはじめに読まれるかたは、難解かと思うかもしれませんが、一度日本書紀で挫折してから読むと、きわめて丁寧に書かれているのがわかります(笑)。これを読んだあとなら読めそうな気がする、というか、やる気がわいてきます。 あと、この手の歴史書でありがちな、「事実」と「意見」を混同して読者を妙な方向へ誘導するようなことはなく、著者の私見、学会で意見の分かれているところ、事実として認識してよいと思われる事柄などが明確に区別されており、妙な誘導が見られない点が非常に気持ちよいです。 著者は相当な高齢の方のようですが、文体は平易で、優しい感じがします。特に、あとがきのアマテラスの描写がとってもよかった。こんな神様がいるのかと。思わず外人に説明してあげたくなるような一冊でした。
30 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
新書本来の役割を果たしている名著。繰返し読むうちに物足りなさも…。,
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レビュー対象商品: アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書) (新書)
学会ではひろく定説化していても、一般にはほとんど知られていないということは多々ある。これを平易に一般読者に伝えるのが新書本来の役割としてあると思うのだが、まさに本書はその期待を充足させてくれる。豊富な内容が各ページに凝縮されており、しかも瑞々しい知性にあふれている。稀代の名著といえると思います。 皇祖神(国家神)というとアマテラスしか念頭にないのが普通と思うが、それはとんでもない話で、じつはその前にタカミムスヒという外来の神があった! 『古事記』や『日本書紀』を読めば、この神様の名はちゃんと登場しています。それどころか、有名な天孫降臨においてはむしろ主導的です。しかし従来、多くの解説書ではその重要性に触れることがほとんどありませんでした(学界では周知のようです)。 まさに、目からうろこの1冊です。日本の歴史と文化に関心のある方にひろくおススメします。あと、神野志隆光氏の『古事記と日本書紀』(講談社現代新書)との読み比べをされるとよいでしょう。 さらには古代史の通説を形成してきた直木孝次郎氏の『直木孝次郎古代を語る4 伊勢神宮と古代の神々』(吉川弘文館)を併読されますと、通説の更新過程が見えてきて興味深いでしょう。 【追記2010.3.18】最近、といっても昨年の11月ですが、大山誠一著『天孫降臨の夢―藤原不比等のプロジェクト』という本がNHKブックスから出ました。ここでもタカミムスヒが大きく取り上げられていますが、もっぱら不比等の政治の道具と位置付けられています。溝口氏の著書とは真逆の印象を受けましたが、比較するのも読書の醍醐味かも知れません。 【追記2010.5.23】レビュー後も何度も読み返しました。最高神タカミムスヒにくわえてアマテラスが天武天皇のころに新たに立てられたわけですが、数多ある神々のなかで、なぜ、アマテラスだったのかについて著者は「今のところ手掛かりをもっていない」と吐露しています。その率直さには敬意を表したいですが、物足りなさも感じます。ぜひ続編を…。 【追記2011.3.12】皇祖神を立てるにあたり、なぜアマテラスに白羽の矢が立ったのかについて、最近ちくま新書から出た武澤秀一『伊勢神宮の謎を解く〜アマテラスと天皇の発明』が、溝口睦子氏に敬意を表しつつも根本的な問題点を指摘し、説得力のある刺激的でスリリングな論を展開しています。一読の価値が大いにあるかと思います。とくに本書『アマテラスの誕生』の読者は必読でしょう。
27 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
タカミムスヒの真実,
By volvox_sp (広島県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書) (新書)
記紀の神話を読んでも、タカミムスヒの神については全くイメージがつかめなかったが、著者によると降臨神話におけるより古い層の主神、皇祖神であって、ムスヒのヒは日であり太陽神とされている。この降臨神話は、王の起源が天に由来するという政治思想であって、専制的な統一王権体制への切り替えの為に必要とされたものであった。 タカヒムスヒの性格には北方ユーラシア系の民族の持つ神話と共通する点があり、中国の天命思想とは異なっているという。その一例は中国の天命思想では、天と日月が区別されるのに対して、北方民族ではその区別が見られないことである。天と支配者に血のつながりがあるというのも天命思想になく、北方民族に共通する点だ。 王家の皇祖神であるムスヒ系の神々と氏族の祀る有力な神々(イザナキ・イザナミ・アマテラス・スサノオ・オオクニヌシ…)との間には系譜上何の繋がりもなく、ムスヒ系の神々は孤立していて外来神である確率が高いという。 古事記ではこの二つの系列の神々の神話を統一した神話に作り上げている。新たにアマテラスを皇祖神として、二つの系列の神話を一元化したのは、統一国家の一元的な支配機構を作り上げようとする意図がその根源にあるというのだ。
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