副題の「ジェフ・ペソスの経営哲学」から、ジェフ・ペソスの経営哲学を分析した本かと思って読むと不満が残るかもしれない。ジェフ・ペソスをめぐるいろんな人々の群雄像が半分以上のページをしめるからだ。たとえば、ジェフ・ペソスの生い立ちから始まり、ジェフ・ペソスがアマゾンを創業する行動に出るまでに、55ページが費やされている。ライバルであったバーンズ&ノーブル・コムの話でも、その基となった書店チェーンの創業者から話が始まる。全てにおいて、この調子である。著者もまえがきで言っているように、全部を最初から通読するのは多少つらい構成になっている。
もちろん、副題通りの分析もしてあって、特にワンクリック特許の部分などは、理系の著者ならではの分析である。株式上場の目論見書と年次報告書を丹念に読んだ分析なども興味深い。
アマゾンそのものの話だけでなく、群雄像的な部分についても興味を持てれば、この本は面白いと言える。読む人の興味によって、星3つか星5つかに分かれる本ではないか、と思う。ということで、私の評価はその真ん中の星4つとした。