ボウリングファンとしては楽しくなってしまう本が出版されました。「アベレージ200を超える! ボウリング 上達のコツ50」という優しい、一般的なタイトルですが、中身はアベ199くらいの人がアベ299を目指すくらいのものすごい勢いで書かれており情報量満載です。まるで「羊の皮を被った狼」みたいな本です。著者はカリスマ性たっぷりで、文章も他の教本のように「です・ます」の軟派体でなく「だ・である」体の硬派・体育会系で書かれており、先生に「コレコレこうなのだ!」と断定されると、その迫力と説得力に思わず納得、頭が垂れてしまいます。この本は「本書の使い方(4頁)」にあるように「最初から読み進めるべき解説書ではありません」。自分の現状を返りみて欠点だと思う箇所や特に向上させたい箇所に該当する項目をピンポイントで読んでいくのが良さそうです。そうすると面白いもので、それに隣接する他の項目にも興味が移っていきます。そりゃそうです、ボウリングの動作はアドレスからフォロースルーまで互いに関連したひとつの流れなのですから…。また本書はアメリカの最新投法の受け売りではなく、著者独自の理論・経験を踏まえて日本人に適するようにアジャストされている印象を受けます。他のレビューで書いた相田能孝著「コンプリートボウリングマニュアル」も非常に役に立ちましたが、こちらが「あんたボウリングに関してはアメリカ人になりなさい!」と言っているのに対し、本書は「あんたボウリングは日米ハーフがいいんだよ!」と言っているような感じがします。確かに、体型・体力的に私達はアメリカ人になれないでしょうが、両者のいいトコ取りのハーフくらいにはなれれそうな気がします。…最後に、著者のカリスマ性に富んだ言葉を2つを紹介します。28頁:「スイングの折り返し点では、強い球、速い球を投げたいと願うあまり、勢いをつけようとつい必要以上に高くボールを振りあげてしまうが、じつはスイングの頂点の高さはボールの強さやスピードとは無関係なのだ。むしろ自然に止まるところでやめておけば「ため」ができて、いい結果につながるだろう。見ためを気にすることに時間と労力を費やすなら、自分なりのトップをみつけるほうが得策だ」。58頁:「PBAの代名詞のように言われている「ローダウン」は和製英語(評者注:アルファベットでどうスペルするのか誰も知りません。一体言い出しっぺは誰なのでしょうか!?)で、真似をしようとして手首やヒジを傷めるボウラーが多いようだが、あれは手首の角度を変えるだけでできる、ごく普通の投げ方だ。手首をまっすぐに保ち、指先からボールがこぼれていくようにリリースするだけのことなのである」。どうです、すごいでしょう!