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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
論文のような書簡集,
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レビュー対象商品: アベラールとエロィーズ―愛と修道の手紙 (岩波文庫 赤 119-1) (文庫)
中世哲学界において大活躍したアベラール。22歳年下のエロイーズの家に、住み込み家庭教師として入り込み、エロイーズと愛しあい、子供ができたことから 極秘結婚するも、バレて、挙句の果てにアベラールはエロイーズの親族の手の者に襲われ、 去勢されてしまう。 以来修道院生活を送るふたりのラテン語書簡がこの本である。 書簡とはいえ、論文や著書のごとく長いものも多い。第一書簡はアベラール自伝であるし、 第八書簡はアベラールの本といってもいいぐらいである。 内容は、副題に「愛と修道の手紙」とあるが、主に神学的問題が中心。 第一書簡においてはふたりの恋愛事件の詳細が紹介されているし、 エロイーズはふたりの時間を思い起こす熱い文章も書いている。 アベラールはそれに対してそっけないものの、神聖な場所でしてしまった、と書き送るなど 一応ふたりの濃密な愛の時間を覚えている様子。 だが世俗の愛にかかわる内容はこれぐらいで、修道女として生活を送る エロイーズの質問に答えて、アベラールが論文ともいえるかたちで 神学上の諸問題や、修道院生活の規則などを、聖書を論拠に明快に述べた書簡が多い。 それまでの学者の説や、聖書の言葉などを引き合いに出しながら、女子修道院とは かくあるべきということを、長々と論じる。 さらに、讃美歌をつくって送ったり、説教集をまとめて送ったりしている。 ここにあるふたりの書簡は、あくまでこういった信仰生活上の諸問題に関する やりとりがメインなのである。 異常に頭の良かったアベラールの明快な論は一読の価値あり。 訳文は現代文だが、聖書の引用部分は文語訳。漢字が難しいのでところどころ 読みにくい。 巻末に訳注と解説つき。
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