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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
秘境潜入ルポ,
By アキュビ (長崎) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アヘン王国潜入記 (集英社文庫) (文庫)
我々日本人からすると、「アヘン栽培を生業にする地域」なんてとてもじゃないけど恐ろしくて足を踏み入れられない場所のように感じてしまいますし、実際その筈なのですが、著者の高野さんは通訳とコミュニケーションを取る為に語学まで学び、かなり苦労しながらその場所に足を踏み入れ、あまつさえ長期間にわたって滞在までしてます。「好奇心」もここまで来ると、圧倒的なパワーになるのだなと思いました。 内容事態は「アヘン王国」が持つ文化的な特異性──なぜアヘンを売るようになったのか。など極めてシリアスな部分と「滞在記」としての脱力部分が良い感じでミックスされており、飽きることなく最後まで一気に読むことができます。 一風変わった滞在記として。また、アジアのある特定の地域が孕む混沌を報せるルポとして。 どちらにしても良書です。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
次は月ですか?でもバスは無いし、歩いて行くには遠いですね。,
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レビュー対象商品: アヘン王国潜入記 (集英社文庫) (文庫)
評者はいい歳をしたサラリーマンバックパッカーである。初めて一人で海外に行ったのは二十歳の頃、確か90年だったと思う。当時「もはや前人未踏の地や知られざる神秘の文化などない。大事なのは体験でなく感性だ。」などとやや冷めた見方をしていたわけだが、いや恥かしい。その頃、高野氏は、例えるなら、マリアナ海溝の最深部でトンネル掘るようなディープでアレな偉業に挑戦していて、貫通しなくても、懲りずにまた別の穴掘ってたわけで…。脱帽です。私もタイもビルマも行きました。ケシ畑も見学しました。体験コースは…。でも、そこに住み着いて栽培しようとは思いませんでした。そのために現地の言葉を勉強して、国際的には黒社会な人とのコネまで作って、密入国ですか。何か命懸けですね。 と思ったら、やっとたどり着いたらマラリアですか、本当に命懸ってますね。94年といえばAIDSの全盛期じゃないですか、ワ州で注射は絶対に嫌ですね、全力で逃げ出したい状況ですが、その力も無くあえなくお尻にブス。治って良かったですがアレの検査結果どうでした? そもそも普通のパッカーはワ族なんて知らないし、さらにワ語には方言が有って、標準ワ語が話せない村の小学生に日本人が教えてたなんて…。 評者は、麻薬の害悪ってデータ的にどうなのと思っている方ですが、高野さんの場合、自分で実験しちゃうし、しかも失敗しちゃうし…。でも、それも魅力的。 それにしても、ケシの栽培は勿論、高野さんが描くと一人一人のキャラが立ってるから、村民の描写が素晴らしい。 高野さんの存在が、村民の娯楽と化してるのもいい感じです。 それに、高野さんが最初の一人で良かった。伝統なんて脆いから、札束で防御したマスコミや普通のライターが入っていったら全てが崩れ去ってしまう。それが村民にとって悪いわけでは無いけど、その前に、本当にお金に縁の無い、高野さんが行けて本当に良かったです。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
地図では知りえない土地と暮らしがわかる,
By サリユリ (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アヘン王国潜入記 (集英社文庫) (文庫)
10月末、麻薬王クンサーが亡くなりました。今、シャン州はどうなっているのでしょうか?ただでさえ情報量が不足し、その真偽も不明なミャンマー。その中で、麻薬王クンサーが暗躍したシャン州。言わずと知れた麻薬の里(こんな言い方で良いのか?)です。ミャンマーに住む人でさえ、きっとここがどこで、誰がどんな生活をしているのかわからないであろうワ人の居住地で、アヘン中毒になりながらも、私たちが知りえないアヘン栽培の実態と、そこに暮らす人々の日常を丁寧に描写しています。著者が中国との国境を越えてワ人地域へ潜入する冒頭から、ぐいぐい引き込まれてしまいます。 と言っても、ドロドロしたものではなく、私たちと同じ「人間の普通の生活風景」です。 この本では、私はワ人という存在に魅かれました。 中国人でも、ミャンマー人でもない、ワ人です。表紙の写真を見ても、日本人と遠い感じはせず、(著者の表現によるものかもしれませんが)何となく共感を持つこともできます。 しかし、世界中の少数民族がそうであるように、決して少数でないクルド人がそうであるように、国家という存在が勝手に国境を引き、国家運営のために、ヒトを使い、蔑ろにしているー というのがわかります。国家とか会社とか、人権はないのに、人権を持ってしまう不思議な存在です。私は嫌いです。 ワ人はもっと自由であっていいはずなのに・・・ アヘン栽培と戦いに明け暮れる日を送らなくてもいいはずなのに・・・ 一般の地図では出てこない地名も、しっかりと本書の地図には明記されており、 辺境、秘境、少数民族が大好きな人は感動すると思います。 実際の取材はかなり前のことで、今では村の様子も少し変わっているのでしょう。 それを確かめられないのは残念ですが、いつか私自身の目で、ここを見たいと 心底思わせてくれる書物です。
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