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アブロ・ランカスター爆撃機―ドイツを崩壊させた英空軍機 (光人社NF文庫)
 
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アブロ・ランカスター爆撃機―ドイツを崩壊させた英空軍機 (光人社NF文庫) [文庫]

鈴木 五郎
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

イギリスの冷酷なる戦略思想を体現し、その恐るべき破壊力をもってドイツを屈服させた傑作爆撃機の全貌を描く。脅威的な爆弾搭載能力を発揮した無差別爆撃によって大英帝国の勝利を決定づけた名機を写真と図版で徹底研究。イギリス航空機メーカーのパイオニア、アブロ社のたゆみない研究と開発の過程をたどる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鈴木 五郎
1924年7月13日、京都府中舞鶴生まれ。1943年6月、大日本飛行協会横浜飛行訓練所(学生航空連盟)で水上機の操縦訓練を受ける。1944年8月、三重海軍航空隊2期飛行予備生徒隊に入隊。1948年9月、東京大学文学部卒業。その後小学館児童編集部を経て読売新聞社出版局に勤務。1979年、定年退職。現在、航空史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 260ページ
  • 出版社: 光人社 (2006/10)
  • ISBN-10: 4769825102
  • ISBN-13: 978-4769825104
  • 発売日: 2006/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 430,854位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
<目次>

はじめに 9
1 「月は満ちていた」 21
2 ヒコーキ野郎A・V・ローの苦闘 45
3 傑作、アブロ504練習機 69
4 ベストセラー哨戒機「アンソン」 95
5 「マンチェスター」から「ランカスター」へ 127
6 「ランカスター」VSドイツ戦闘機隊 169
7 戦艦「ティルピッツ」撃沈! 199
8 デルタ翼にかける夢 233
あとがき 259

<書評>

本書は、第二次世界大戦当時に活躍した英国3大名機の一つであるアブロ・ランカスター爆撃機の活躍を中心に描いた「アブロ「ランカスター」―ナチを崩壊させた英空軍爆撃機 (1979年) (第二次世界大戦ブックス〈76〉)」を復刻再販した戦史小説です。

本書の詳細を見てみると、冒頭でドイツのメーメルダム爆撃を行った「チャスタイズ」作戦を取り上げ後、目次の内容からも判るように本書の約半分の第2章から第4章までの内容は、イギリス航空機の黎明期から、アブロ社がランカスター爆撃機開発に至るまでの発展の歴史を取り上げており、本書の副題を「ランカスター爆撃機開発までのアブロ社発展史」としても、差し支えない内容となっています。

第5章では、イギリス空軍の"双発"爆撃機P・13/36の開発要求からマンチェスター"双発"爆撃機を経てにランカスター"四発"爆撃機開発、そしてその詳細を他国の爆撃機と比較して、ランカスター爆撃機の特徴を説明しています。イギリス贔屓の記述からかランカスター爆撃機の欠点、つまり対空火器が弱火力である点や副操縦士がいない点には、触れられていません。

次に、第6章でランカスター爆撃機が行った夜間無差別爆撃を取り上げられているものの作戦の概略を述べた通史であって、ランカスター爆撃機に関して突出して解説している訳ではありません。また、イギリス空軍が夜間無差別を行うまでの戦間期から開戦時以降の航空戦略の経緯や昼間精密爆撃を主張し実践したアメリカ陸軍航空軍との戦略上の論争、イギリス空軍が主張したアメリカでのランカスター爆撃機のライセンス生産計画による連合軍の生産爆撃機の一本化(事実上のB−17とB−24の生産停止要求)、夜間無差別爆撃と昼間精密爆撃の軍事的効果の是非、つまりランカスター爆撃機が行った夜間無差別爆撃がドイツの継戦能力に影響を与えず、大きな戦果が無かった点に関しては、一切言及していません。

本書の著者である鈴木五郎氏は、日本の航空機の黎明期に関わった経歴上のその経歴が本書の内容に反映されているようで、前半でのイギリス航空機開発史に軸足を置いた記述と軍事戦略的な側面の紙幅の少なさに反映されているように見受けます。そのため、第5章から第6章の内容的には質量共に不足気味で機体の詳細を知りたい方は、他の書籍「夜間戦闘機―ドイツの暗闇のハンティング (光人社NF文庫)」や「チャスタイズ」作戦に参加した第617中隊の詳細を語った「暁の出撃 (新戦史シリーズ)」そしてイギリス空軍とアメリカ陸軍航空軍との関わりを述べた「戦略空軍 (文庫版航空戦史シリーズ (26))」の併読をお勧めします。

原著の出版の1979年からかなりの年月が経過しており、その間の戦史研究の進展により、本書の内容が相対的に現在の戦史研究水準から見て低い水準の点がありますが、ランカスター爆撃機を語った日本語で唯一の戦史小説である過去の著作を後世に残す意義と本書の約半分を占めるイギリス航空機開発史は評者としては興味深く、また1970年代の戦史研究水準を知る上で一定の価値が本書にはあると思われます。

しかし、本書は冒頭で述べたように内容の経年劣化と本書のカバーが環境保護を目的とした光沢印刷を使用することで非常に脆弱で角が擦り切れたり、印刷が落ち易く、その点も本書の評価を下げざるを得ない部分がありますので、星4つとさせていただきます。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kzy666 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
タイトルから想像される内容とは少々趣が異なり、かなりのページをイギリス航空史の黎明やアブロ創設者や第二次世界大戦に至るまでのアブロ社史に割いています。ランカスターに関する記述も機体そのものよりもランカスターの作戦行動に重きを置いたものです。
昭和54年に出版された書籍の文庫化ということで相応に古さを感じさせる内容です。一応加筆・訂正を行っていることにはなっていますが、シュレーゲ・ムジークを日本の斜銃に由来するものとしているなど、真面目に加筆訂正したとはとても思えません。ドイツの四発重爆開発失敗を単純にジョンブル気質とゲルマン気質の違いによるものとしているなど、非常に安直な考察が見られます。
イギリス航空史の黎明、アブロ創設者や第二次世界大戦に至るまでのアブロ社史に関しては他の和書であまり触れていない内容のようには思えますが、ランカスターに関する書籍としては落第点だと思います。事実誤認がいくつも見られ、お勧めできる内容ではないです。タイトルどおりの内容を求めるなら星1つです。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
タイトルだけで判断すると、アブロ・ランカスターという爆撃機の構造的特質やら、開発へ至る過程、大戦中の活躍に焦点を絞った内容のように思われるでしょうが、本書の前半部分はランカスターが登場する前のイギリス航空機開発の歴史と、航空機のパイオニアとしてのA.V.ロー(アブロ社の創始者)およびアブロ社のたゆまぬ努力の歩みが書き綴られています。したがって、ランカスターの技術・開発の側面に特に関心が高い人には、物足りない内容かもしれませんが、航空史に関心のある方にはお勧めできる本だと思います。
著者の鈴木五郎さんは、本書の冒頭で「アブロ『ランカスター』を単なる爆撃機として見るだけでなく、イギリス人を、さらにはドイツ人の本質を知る一つの手だて」として、イギリスとドイツの戦略思想の違いを明らかにしようとされています。最初、これを読んだときは「そんな大げさな」と思いましたが、読み進めていくうちに、この言葉の意味するところが次第に明らかとなり、なるほどと関心しました。
これは単なる爆撃機について詳述した本ではなく、ランカスター爆撃機を通してイギリス人の国民性を見ていこうとする比較文化の視点を取り入れた面白い本だと思います。
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