上映が決まってからひたすら1年待って観ました。予想以上の良さでした。
物凄く足が地に付いた映画だな〜と思います。
オープニングのスネオヘアーさん演じる浄念の2つのシーンが、とても軽快なテンポで物凄く効果的♪
浄念がまだ学生のころ、東京のライブハウスで狂気のように歌いまくっているシーンがあり、即効で映画タイトル。次にすぐ、浄念が住んでいる町で、現在の僧侶の浄念が高校生相手に進路指導の講演をしなくてはならず、薬を飲みながら何とかチャレンジするが途中で切れてしまい、マイクを引きずりながら最後はピアノを開けて絶叫と一緒に鍵盤を叩きつけてしまうシーン。これで観客は一気に「ああ、こいつ(浄念)はやっぱり(精神的に)おかしいんだな」とばっちり印象つけてしまう。その後、妻役の多恵演じるともさかりえさんの働いているJAのお店が移り、客が「またおかしいコトしたんだってよ。あの坊主」と、多恵にわざと聞こえるように話し、不安ながらも夫・浄念を案ずる多恵。浄念に対する町の評判と、妻・多恵の立ち居地がはっきり描かれている。その後、浄念が勤務?している寺の住職・玄宗の元に、高校から浄念の講演の失敗の電話が届き、玄宗の妻の麻子と共に「念さん、なんか切れちゃったらしいんだ。そっとしておこうな」「そうなの?朝はあんなに張り切って出かけたのに・・・」との会話で、玄宗と妻麻子があぶなっかしい?浄念をあたたかく受容していることが、自然に観客に伝わります。
そして爆弾宣言のような浄念の「この町でライブをやりたいんです」から、嬉々として、そして生き生きとしてライブの準備にひた走る浄念の姿。多恵をはじめ、玄宗、檀家などの町の人々のとまどいや心配など何のそので「この町でやるライブ」にひた走る浄念。父親の楽しげな姿に一緒に歌う息子の理有(この子役のオトコノコ♪物凄い巧いです!)。
「この町でライブを?・・・ちょ、ちょっと待ってくださいよ」浄念の突然の発言に、小さい町の寺の住職として戸惑いながらも話を受け容れる玄宗。
「あたしに無断でなんで話が進んでるの?」「馬鹿!」「はげ!」と、浄念に厳しい応対をしながらも心の底では浄念のライブを応援したい妻の多恵・・・。ともさかりえさんと小林薫さんのあたたかい演技が物凄くこの映画を大きな優しさで包んでいます。
その最中、檀家で唯一、浄念を、そして浄念のライブを応援してくれていた菓子屋の主人、ほっしゃんさん演じる傭平の自殺から、浄念はまた、大きな鬱の波にさらわれ自分の存在意義を問い、かつて自殺を図った海へ向かいます。そして原作の玄侑宗久さん語るところの「ないがまま、ないがまま」「善も悪も一つ。ナム・アブラクサス」の境地にたどり着き、クライマックスへのライブへ前進します。
私が感心した一つに、臨済宗の僧侶浄念を演じたスネオヘアーさんと、玄宗を演じた小林薫さんの立ち居振る舞いが本当に見事な僧侶になっていらしたところです。我が家も同じ禅宗なので、非常に感動しました。また、お二人の僧侶になり切られた演技に深い敬意と慰めを感じました。特にスネオヘアーさんの合掌は本当に美しいのです。私はこの方がロックシンガーだと知らなかったので、本当の僧侶なのではないかと錯覚したくらいです。
また、オール福島ロケの中で語られるおっとりとした福島弁。同じ東北に住む者として、これも非常に快いものでした。そして何より、浄念が薬を飲みながらも「そのままでいい。そのままで正しいんだ」の台詞を心に念じながら生きていく姿。同じ心を病む者として、
何度この台詞に慰められたかわかりません。この映画は本当にあたたかく、そして時に弱く時に強い、フツーの人間を描いた映画です。DVD販売になって本当に嬉しくてすぐ予約しました。早く自宅でまた浄念と多恵が歌う、日本語のレナードコーエンの「ハレルヤ」(この曲も大好きです!)を聞きたいです。また浄念と多恵との丁々発止のやり取り(漫才を見ているようです。いつも多恵は強いです。妻&母は強いのだ!)
を見たいです。
文句なしの☆5つの映画です。本当にDVD化してくれて良かった!
浄念さん、そして原作の玄侑宗久さん?
ないがままでいいんだよね?「そのままでいい」んだよね?
この映画を作られた全ての方々に感謝を込めて♪・・・・ハレルヤ!(^0^)