1996年に出た単行本の文庫化。
著者はアフリカで長く取材を続けた朝日新聞の記者。本書は1994-95年に連載された朝日新聞のコラムをまとめたもので、各章がかなり短いのが残念。興味深い食物を扱ったり、政治的に重い話が多いので、じっくり書き込んでくれれば面白かっただろう。
とにかく政治的に重い話が多い。飢饉、内戦、アパルトヘイト。極端な貧困や身分格差。そうしたなかでも、人々は生きるために食べなければならない。生きるためのギリギリのラインが示されている。たくましさとか悪食ぶりとかではなく、その必至さと悲哀が印象に残る一冊だった。
食文化の本としても面白い。牛の血を飲む、ラクダ・カレー、バナナ・ビールなどなど。ただ、気楽な気持ちで読むことは出来ない。