多種多様な分野で活躍する11のアフリカ研究者に、現在の研究内容について取材インタビューしたもの。失礼ながら「アフリカ=遅れた地域」のイメージは拭い去れないが、アフリカ研究者の多くが「アフリカから学びたい」と考えていることに驚いた。村落、音楽、手話など、どれも現地社会に入り込んで信頼を勝ち取り、教えてもらったことばかりだ。また、女性、障害者、路上生活者など、アフリカの中でもメーンストリームと言いがたい人たちへの研究が多く行われているが、そうした特定の社会階層の中にはわれわれが知らない世界が広がっている。
研究者の多くが語るのは、経済指標で見るとアフリカは確かに後進国なのだが、心の豊かさは決して悪くなく、アフリカ独自の合理性で社会は回っている、という。農業研究者は諸外国の農業では常識の単作をやり、豆を植えたところ、8割が壊滅したが、混作にすると、7割が回収できたという。アフリカを良くするには、アフリカの常識の中で良くしないといけないという、メッセージのように感じた。その一方で廃止されるべき悪弊もある。その筆頭が女子割礼。これはアフリカの常識であろうがやめさせなければならない。
ジュニア新書ということで本書は高校生向けだが、大人でも「今のアフリカ研究」の水準を知ることができるいい本だと思う。