処女作「インドなんか…」に始まり、毎回この作者の言い回しや例え話は他のどの作家よりも群を抜いて面白い。
長文ではあるがマンガのようにテンポ良く読みやすい文体で、畳み込んでくるような一人ボケ突っ込みの連射攻撃には笑いを堪えるのも大変w
面白すぎて電車やバスで読むのは危険というぐらいの勢いだ笑。
ツービート時代のビートたけしの著作を髣髴とさせるような時代を飛びぬけた面白さとセンスがある。
今回は中国行きアフリカ旅行の途上編と言う事もあり、前作を読んでいるほうが流れ的にはわかりやすいが、(出だしで尻痛のあまりホテルに倒れこむあたりなどは、事前のエピソードを読んでいるとなお一層笑える)、のっけから超特急飛ばしまくりのズッコケ冒険譚ぶりは、前作を知らない人でも抵抗を感じさせないインパクトとおかしさだろう。
著者自身が書いている通り、東アフリカの内陸を北上する初めての旅(しかもバックパックひとつで)は相当に過酷なもののようで、読んでいておかしいやらオソロシイやら、「ああこれが人様の経験で良かった」と笑いながらも胸を撫で下ろすことも少なくない。
この冊の後に続くインド編やアジアのジャングル編なども面白さのボリュームでは本編に負けてはいないが、インパクトと言う点においては、この東アフリカ編は前作共々一度読んだら忘れられない抱腹絶倒の面白さ、いや印象深さがある。
旅行記として読むのはモチロン、読み手を腹の底から笑わせる硝薬的なお笑い本としての価値も満点だ。
この筆者の作品はデビュー作から読破しているが、文体にせよセンスにせよ、同世代の他の作家より頭1つ飛びぬけた才覚がある。
またお得意の自虐ネタが面白さをさらに一層盛り上げているのだが、「三国志男」あたりの書評を見る限り、同世代のオタク層からは相当の「叩かれ役」「やっかまれ役」のようである。
才能とは常にそうした諸刃効果を呼ぶものだが、1ファンとしては今後も負けずに頑張って欲しいものである。
(もっとも「叩かれたこと」すら面白おかしくネタ(自虐ネタ)にしてしまうところが、この筆者の才能たるところであるが)
最近は南米の旅行記も出すなど、筆者はゲームネタと世界の僻地旅行記の両方がウリのようで、次回作が毎回どんな面白いところかを推測するのも楽しみであるが、そのうち旅行記以外の創作小説も執筆して欲しいものだ。
(南米本で登場する、釣り銭をごまかす火星人のエピソードなどだけでもゲラゲラ笑わせられた)