アフガンで展開中の米軍の作戦の内容は断片的にしか報道されないなかで、作戦に従事して生還した特殊部隊の兵士の記録である本書からはいろいろなことが学べます。海軍の特殊部隊SEALに選抜されるためにどれほど過酷な訓練をくぐりぬける必要があるのか。特殊部隊は敵の狙撃(暗殺)のためにどのような方法をとるのか。アフガンの地勢がどれほど厳しいものか。アメリカ人にとって軍人がどれほど敬意を集める存在なのか、などなどです。
生還した隊員はタリバンの攻撃から必死で逃げ回る際に何度となくがけのような急斜面を何十メートルも滑り落ちていますが骨にひびこそ入りながらもがけを這い登り、かつ銃を撃ち続けます。映画のようなこの展開はまさにSEAL隊員の超人的な体力と気力の賜物にほかなりません。実に驚異的です。
翻訳は読みやすいのですが、軍事用語に疎いのが目に付きます。たとえば対地攻撃機が「陸上爆撃機」に、地上の基地は「陸上ベース」となっていて、辞書を見ながら訳語を当てたと思える部分が数ヶ所ありました。これは専門外の翻訳者を責めるべきではなく、監修者をつけなかった出版社の責任だと思います。ただ「ガザのピラミッド」という訳語が出てきますが、これは誤訳でしょう。ガザでピラミッドをみたことはありません。カイロ郊外のギザにあるピラミッドのことだと思います。