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アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ
 
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アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ [単行本]

モフセン マフマルバフ , Mohsen Makhmalbaf , 武井 みゆき , 渡部 良子
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   著者のモフセン・マフマルバフは、アフガニスタンを舞台にした『カンダハール』、『サイクリスト』を製作したイランを代表する映画監督で、イスラム文化圏の言論、文化人でもある。10代のころはイスラム革命を志し、4年半におよぶ獄中生活も経験したことがあるという。2000年に製作された『カンダハール』は、イタリア、フランスで大反響を呼び、2002年1月には日本でも公開された。2001年9月の米同時多発テロを契機として、その作品意義がさらに高まっている。

   本書は、そんなマフマルバフのスピーチ、リポート、公開書簡の3つの柱から構成される。タイトルからは、その内容がセンセーショナルで、ナショナリズム、宗教観を前面に出した作品のような印象を受けるが、実際には、アフガニスタンの近現代史、人々の暮らし、産業の不毛、宗教、女性の抑圧などについて、幅広く、冷静な筆致と客観的な視点で描き出している。

   いずれも政治的メッセージを排している点で、本書と著者の映画作品は共通している。『カンダハール』の高い評価は、ありのままのアフガニスタンを伝えた、というところにあるし、本書もまた、読者にありのままのアフガニスタンを伝えようとしている。淡々とした筆致の裏には、2本の映画製作にあたって1万ページにおよぶ本や文書の研究、撮影で実際にアフガニスタンを見聞した体験も生かされている。

   また、本文中には注釈が付き、該当用語は初出するその見開きページ端にまとめられ、いちいち巻末にページを送る必要もない。さらに、柱となる3章以外に地図、アフガニスタン略年表、著者略歴、映画『カンダハール』解説といった豊富な資料が付記されている。丁寧な翻訳および編集作業がうかがえると同時に、いわば「アフガニスタン入門書」としての価値も高い。

   9・11テロ事件によって、アメリカ主導のグローバリゼーションが疑問視されはじめているなかで、著者はあくまで同じ地域に住む隣人の視点から、アフガニスタンの窮状を訴える。マスコミ報道からは得られない、立体的なアフガニスタン理解ができる。(佐藤修平)

出版社/著者からの内容紹介

干渉よりも世界の無関心がアフガニスタンを苦しめた。バーミヤンの石仏は、世界の無知の前に自らの無力を恥じて倒れたのだ。映画監督の静かな視線が「悲劇」を分析する。

登録情報

  • 単行本: 191ページ
  • 出版社: 現代企画室 (2001/11)
  • ISBN-10: 4773801123
  • ISBN-13: 978-4773801125
  • 発売日: 2001/11
  • 商品の寸法: 17.6 x 11.4 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 イランの映画監督で、モフセン・マフマルバフという人が
書いた本です。日本でも「カンダハル」が上映されました。

「私はヘラートの町の外れで二万人もの男女や子供が飢えで
死んでいくのを目の当たりにした。彼らはもはや歩く気力も
なく、皆が地面に倒れて、ただ死を待つだけだった。この大量

死の原因は、アフガニスタンの最近の旱魃である。同じ日に、
国連の難民高等弁務官である日本人女性もこの二万人のもとを
訪れ、世界は彼らの為に手を尽くすと約束した。三ヵ月後、
この女性がアフガニスタンで餓死に直面している人々の数は
百万人だと言うのを私は聞いた。
 ついに私は、仏像は、誰が破壊したのでもないという結論に

達した。仏像は、恥辱の為に崩れ落ちたのだ。アフガニスタン
の虐げられた人々に対し世界がここまで無関心であることを
恥じ、自らの偉大さなど何の足しにもならないと知って砕けた
のだ。」
「バーミヤンの仏像の破壊は、世界中の同情を集めた。しかし
何故、国連難民高等弁務官の緒方氏を除いて、このひどい飢饉

によって死んだ百万人のアフガン人に対しては、誰も悲しみを
表明しないのか。」
「現代の世界では人間よりも仏像の方が大事にされるという
のか。」
「仏陀の清貧と安寧の哲学は、パンを求める国民の前に恥じ
入り、力尽き、砕け散った。仏陀は世界に、この全ての貧困、
無知、抑圧、大量死を伝える為に崩れ落ちた。しかし、怠惰な

人類は、仏像が崩れたということしか耳に入らない。」

このレビューは参考になりましたか?
43 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
バーミヤンの仏像がターリバンによって爆破された、というのは以前に私たちがアフガニスタンにつき知っていた最も大きなニュースだったと思います。ターリバンは世界中から多くの非難を受けました。世界は、仏像のことは考えてもそこにすむ人々のことはほとんど考えていませんでした。

今では、世界で最も貧しい国の一つを富める国が攻撃することには、否定しきれない奇態さがあります。戦費に費やされたお金が、援助されていたらこんなことにはならなかったでしょう。

筆者はイラン人映画監督・作家ですが、この事情を現場を長く体験した人ならではの言葉で語ります。現実を語るわけですが、愛情にあふれているものの、アフガニスタンに甘いわけではありません。アフガニスタンの悲しみに、ついに彼は「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」という結論にいたります。

このレビューは参考になりましたか?
32 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
タイトルがいささか詩的なので、内容も感傷的なものかと思いきや、収入や麻薬の取引量、人道的災難などに関する統計的情報をきちんと把握しており、アフガニスタンの民族構成についても分析的に書かれている。そうした情報をふまえた上で、著者は、人間的な暖かさと連帯をもってアフガニスタンの状況を記述している。本書は、戦争と飢餓による累々たるアフガニスタンの死者には目を向けず、バーミヤンの仏像破壊についてのみ非歴史的に注目するような、一部のしかし少なくない人々の文化レベル・倫理レベルに対する、静かな、しかし同時に明晰できっぱりとした批判となっていると思う。詩的なタイトルとは裏腹に、著者の見解に同意するかどうかは別として、アフガニスタンを通して自分の足下を冷徹に見つめ!!る契機ともなった。
このレビューは参考になりましたか?
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私たちはアフガニスタンについて知ることからはじめなければならない
著者は、アフガニスタンの悲劇が世界から無視されていることを本の題名のような比喩により痛烈に批判する。知らないということは恐ろしいことだ。この本で予言された「差し迫... 続きを読む
投稿日: 2008/3/9 投稿者: touten2010
強いメッセージ
 まず,本書のタイトル。「いまさらアフガニスタンなの?」と思われるかもしれませんが,私はこのタイトルを見て,即購入を決断しました。... 続きを読む
投稿日: 2004/12/22 投稿者: lotus
隣国からの静かな眼
イランの映画監督、モフセン・マフマルバフの語り口は静かだ。そしてその眼差しも静かで優しい。テレビで見た、実際のマフマルバフ監督も穏やかな人物であった。とても逮捕さ... 続きを読む
投稿日: 2003/8/9 投稿者: アジアの息吹
映画カンダハールを見てから読んで欲しい。
映画では、主人公(実際にアフガニスタンの女優)が祖国の現状に改めて愕然とし、動かし難い現実に翻弄され複雑な嫌悪感を抱いていく過程を観た。映画の最後にある台詞のよう... 続きを読む
投稿日: 2002/6/20 投稿者: ぎんぱ~る
このタイトルを見たら仏像も泣きますよ
事実を見ていないのは誰なのでしょうか?  アフガニスタンの仏像が寛容さの微塵も持たない人々によって「意図的に」破壊されたのはまぎれもない事実です。... 続きを読む
投稿日: 2002/2/4
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